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OLED照明技術、2021年に15億ドルに成長

April, 11, 2016, Lyon--Yole DéveloppementのLED/OLEDおよびサファイア調査担当の、Pars Mukish氏によると、OLED技術は画期的な軽量、極薄、柔軟で透明な照明光源となる見込みがある。
しかし状況は、それほど単純ではない。OLED技術が多数あり、選択が難しくなっている。また、高い製造コスト、非構造化サプライチェーンを含め、多くの課題を克服しなければならない。長い間OLEDは、LED革命の陰で生きてきて、今日のOLED市場は、確立されたLED領域のわずか1/100と小さい。
 「照明用OLED-技術、産業、市場トレンド」レポートは、市場規模を2021年に15億ドルと予測している。Yoleのアナリストによると、OLED照明の未来はまだ不確実である。OLED技術の付加価値をエンドユーザに向けて実証する必要がある。
 OLED売り上げを後押ししているのはディスプレイアプリケーション、特にスマートフォンである。しかし、OLED業界は、デザイン、形状、効率といった技術仕様をベースにして数年前から照明アプリケーションも射程に入れようとしてきた。
 この新しい戦場ではOLEDはLED技術と競合しており、過去10年OLEDから注目を奪っているLEDは固体照明革命で道を開いている。それに、OLED技術の高コストのために市場での普及は容易ではなく、現在の低い効率がさらに普及を遅らせている。また、OLED企業の主張する利点は、顧客に必ずしも認識されていない。したがってOLEDは、ニッチ市場を見つけるか、量産規模の勢いを得るために「火付け役」となるような市場を見つけ、技術の利点や可能性を顧客に実証できるようなマーケティングの窓をつくらなければならない。
 Yoleのシニアテクノロジー&市場アナリスト、Dr Milan Rosinaは、「OLED照明技術にとって最初の火付け役となる市場の1つがあるとすれば、それは自動車照明だ」と見ている。「OLEDは、LEDと差別化された、新しい付加価値を提供する現実的な潜在力がある」と指摘している。
 商用照明やオフィス照明アプリケーションを含め、従来の一般照明セグメントにアプローチするには、OLED技術は、多様なニッチあるいは「スパーク」市場を統合して、コスト低下を可能にする規模の経済を達成する必要がある。この分野では、OLED照明業界は、いくつかのニッチ照明アプリケーションを探求している。中でも医療照明や埋込照明。
 「ヨールでは、OLED照明パネルは、2015年に約3000万ドルの市場規模に達したと見ている。OLED市場は、2021年には約15億ドルに成長する見込みだ」と技術&市場アナリスト、Pierrick Boulayはコメントしている。