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フラウンホーファーILT、超高速レーザシステムの生産性向上

July, 2, 2015, Aachen--フラウンホーファーILTは、強力な超高速レーザのパルス幅を4倍短縮する光学モジュールを開発した。このコンパクトモジュールは、平均パワー1kW、エネルギー10~200µJレーザでの利用に適している。1psパルスは、約250fsまで短縮できることになり、そのパルス幅で失われるエネルギーは10%以下、ビーム品質は維持される。
 特許申請中のパルス短縮モジュール技術は、FOCUSプロジェクトの一環として教育科学・研究技術省(BMBF)の助成金を受けている。モジュール開発をさらに進めることで、一段と高いパルスエネルギーが達成できる。
 パルス短縮モジュールは、フラウンホーファーILTが新たに開発した、出力領域150Wのフェムト秒レーザに組込可能。モジュールは、簡素な設計であるため、微調整により堅牢さ、経済性を実現。そのパワークラスでは、遙かに強力なINNOSLABレーザを大きく凌駕する。両コンセプトとも、ほぼ回折限界に近いなビーム品質によって特徴付けられる。
 Thin DiskとINNOSLABアンプを統合することで、フラウンホーファーILTは超高速レーザの新記録を達成した。同システムは、パルス幅710fsで平均パワー1.5kW。特に、シンディスクアンプをさらに最適化することで出力が2kWを超えることも可能。この開発は、FOCUSプロジェクトの一環としてBMBF、およびTRUMPFグループの支援を受けている。
 このパワークラスの産業用レーザシステムは特に、例えばカーボンファイバ強化プラスチック(CFRP)などの加工に適している。
 新しい赤外光源、波長1.5~3.5µm(SWIR)は、特殊応用向けに調整された、フラウンホーファーILTによる超高速レーザ技術ソリューションの一例。SWIRでは、技術的、経済的に興味深い多くの材料クラスで極めて高い吸収が存在し、一連の画期的なアプリケーションが見込めるが、今日まで、この波長範囲には十分に強力なレーザが存在しなかった。
 フラウンホーファーILTの研究グループは、1.6~3.0µmで20W超のレーザ出力を可能とするテストシステムを開発した。パルス幅は、900fsと1.5nsの範囲。研究グループは現在、出力を50W超に拡大しようとしている。このテストシステムは、多様な駆動レーザに適用でき、したがって提供できるアプリケーションパラメータの幅は広い。この新しいシステムによりユーザは、実現可能性の検討を行い、生産向けに加工最適化ビームパラメータを提供できる。