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新しいダイクロイックレーザミラーデザインを提案

March, 18, 2021, Shanghai--上海技術物理研究所(SIOM)と中国科学アカデミ(CAS)は、理想的なダイクロイックレーザミラーの厳しい要件を満たすために、混合層と斬新なサンドイッチ構造境界面の新しい設計を用いることを提案した。研究成果は、Photonics Researchに発表された。

ダイクロイックレーザミラーは、通常、高調波分離器、ビームコンバイナあるいはスプリッタとして利用されており、多くのレーザアプリケーションで重要な役割を担っている。慣性閉じ込め核融合レーザ、ペタワットフェムト秒レーザ、ハイパワーファイバレーザ、コンパクトなQスイッチあるいはモードロックレーザ、その他の新しいレーザである。ダイクロイックレーザミラーに対する要求は、レーザ技術の開発にともない継続して増加している。ハイパワーレーザ用の理想的なダイクロイックレーザミラーは、大幅に異なる反射特性あるいは透過特性を必要としており、同時に、関心のある2つの異なる波長で高いレーザ誘起損傷閾値(LIDT)を必要としている。

残念ながら、交替する高屈折率と低屈折率(n)ピュア材料で構成される従来のダイクロイックレーザミラー(TDLM)は、2波長で同時に優れたスペクトル性能と高LIDTsを達成することは難しい。必要な光学性能とLIDTの間にトレードオフがある。

この研究では、研究チームは、混合ベースのダイクロイックレーザミラー(MDLM)を設計し準備した。これは、高-n層としてHfO2-Al2O3を使用、nと光学バンドギャップは調整可能、また低-n材料としてピュアSiO2を使用する。低-n SiO2層と高-n HfO2-Al2O3混合層との界面は、サンドイッチのような構造境界面(“SiO2-HfO2 傾斜材料 | HfO2 | HfO2-Al2O3 傾斜材料”)であり、これは従来のディスクリート界面に取って代わる。MDLMは、TDLMに対して優れたスペクトル性能と改善された性能を示しており、より細かい機械的特性、低吸収、高LIDTである。532波長でs-偏光の7.7-nsパルス、1064ns波長でp-偏光の12-nsパルスの両方で、LIDTsは、ほぼ2倍。このMDLM設計戦略は、改善されたダイクロイックミラーコーティングと他のレーザコーティングへの新たな道を開き、高品質レーザコーティングに依存する多くのレーザ技術領域に恩恵をもたらす。

(詳細は、http://english.siom.cas.cn)