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細密ガラス物体の3Dプリントにレーザベースプロセスを開発

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January, 22, 2021, Marseille--マルセイユ、エコールセントラル、フレネル研究所の研究チームリーダー、Laurent Gallaisは、「ほとんどの3Dプリンティングプロセスは、物体をレイヤ毎に構築していく。われわれのプロセスは、このようなプロセスの限界を回避する。レーザビームを使って液体前駆体を固体ガラスに変換または重合化する」と説明している。

Optics Lettersに発表された論文で、従来のレイヤごとのアプローチを使わないで細密物体を3D体積に構築する新技術の利用法を実証している。このブローチを使いチームは、バイクやエッフェル塔、孔や亀裂のない微小モデルなど,様々な石英ガラス物体を作製した。

その3Dプリンティングアプローチは、多光子重合に基づいている。液体モノマ分子を結合して固体ポリマにする重合は、精密なレーザ焦点でのみ起きる。それにより数µmから数10㎝までの範囲の3Dパーツの直接製造が可能になる。分解能は、理論的にはレーザビーム成形に利用するオプティクスのみによって制約を受ける。

「ガラスは、オプティクス製造のための主要材料の一つである。われわれの研究は、いずれ研究者が必要とする光コンポーネントを3Dプリントするプロセスの開発に向けた第一歩である」とGallaisはコメントしている。

適切な材料
3Dガラス物体構築のために従来のレイヤ毎のアプローチを使う場合、いくつかの制約がある。プリンティングプロセスのスピードは、レイヤ構築にかかる時間によって制限される。高粘性樹脂を使う場合、一定の厚さでレイヤを作るのが難しいことがある。複雑なパーツの作製は、一般に支持が必要であり、正確に位置決めし、物体が固まると除去されなければならない。

多光子重合を使ってレイヤ毎のアプローチは回避できるが、3Dプリンティングガラス物体は、最初の液相と重合化後の両方でレーザ波長に透明な材料が必要になる。多光子重合プロセスを始めるにはレーザ波長の1/2でレーザ光を吸収しなければならない。

これを達成するために研究者は、レーザ光を吸収するための光化学開始剤、樹脂、高濃度石英ナノ粒子を含む混合物を使った。レーザとよく機能することに加えて、この混合物の高い粘性により変形問題なしで3Dパーツが形成できる、あるいは3Dプリンティング中に物体を所定の位置に保つサポートが可能になる。

「その技術にとって重要な点は、Strickland および Mourouのチャープトパルス増幅技術をベースにした高出力超短パルスレーザであった。これは2018年ノーベル賞を受賞した。強い極短パルスだけが、非線形光重合を作る。高精密であり熱の影響はない」とGallaisは説明している。

プロセスのテスト
石英ナノ粒子混合を使って固体物質が作製できることを検証した後、研究チームは3Dプリンティングアプローチを使って、複雑な形状の物体を作製した。また、重合化パーツを変形するプロセスをガラスにも適用した。

「われわれのアプローチは、潜在的にほぼどんな種類の3Dガラス物体作製にも利用できる。たとえは、高級時計や香水瓶に用いられるガラスパーツを作製する可能性も探究している」(Gallais)。

:研究チーム、その技術をより実用的にし、例えばあまり高価でないレーザ光源で実験することでコスト低下にも取り組んでいる。また、そのプロセスを最適化して、粗さを減らした表面品質改善も考えている。