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X線イメージングで、金属3Dプリント部品の欠陥緩和をシミュレート

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October, 2, 2019, Livermore--Lawrence Livermore National Laboratory (LLNL) 研究者はSLAC National Accelerator Laboratory (SLAC),の研究者とともに、金属3Dプリント部品で主要な欠陥にソリューションを見つけ出した。
 ハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)シミュレーションと、SLACのシンクロトロンで得られたレーザ粉体床溶解(LBPF)金属アディティブマニュファクチャリング(AM)プロセスのX線イメージングを組み合わせることで、研究グループは、細孔形成を無効にする方法を見いだした。細孔は、構造物表面下に形成される微小な孔。これが、応力下で、最終部品の亀裂の始まりとなる。金属層をスキャンし構築する際の蛇行路に沿って曲がるのでレーザがスローダウンするにつれて、その緩和戦略は,レーザパワー低減に関与する。構築を通じてレーザパワーを変えることにより、レーザの陥没深さを浅く、一定に維持できることを確認した。研究成果は、Nature Communicationsに発表された。
 「われわれは多くの部品で、曲がった箇所が存在するエリアの端に、細孔が著しく集中していることを確認した。これは材料品質に影響を与える。われわれはシミュレーションでこれを示し、ある程度の実験検証が必要だった」とLLNL研究者、論文の筆頭著者、Aiden Martinは説明している。「今では、緩和戦略がある。レーザが曲がるときにそのスピードを計測する。曲がる際、そのパワーを動的に変更する。スピードが分かっていれば、レーザパワーを調整することができ、表面で陥没を適切に、安定的に維持できる。最終的に細孔形成となるような陥没にはしない」。
 プリンティングプロセス中、レーザが金属粉末を溶かし、曲がるとき、レーザのパワー密度が強力になり、表面深部に浸透し、「キーホール陥没」を形成し、その後続ガス気泡が固化する金属に残る。この気泡によりプリントされた物体の表面下に細孔を発展させる。
 「それは、既知の問題であるが、これは、予測法でわれわれがそれを補正できることの初の実証である。最も重要なことは、時間経過とともに、その細孔が常に、明確な点に形成されることである。つまり、レーザが曲りから加速する時である。そのタイミングは極めて興味深い。仮定では、細孔は、メルトプールの最深部にのみ形成される。細孔が曲りの後に起こるという事実は、皆にとって驚きであった」と主席研究者、Ibo Matthewsは言う。
 チームが開発した緩和技術は、Matthewsによると、ラボの「インテリジェント・フィードフォワード」戦略に関係した一連のツールの一部である。これは、プリンティングに先行するシミュレーションとモデル検証に著しく依存しており、中でも自動車産業、航空宇宙産業で採用されている戦略である。研究者によると、その戦略は、CADファイルで定義したパラメータを機械命令に変換する3Dスライサ(slicer)ソフトウエアでマップを作成することで「実質的にどんな商用装置」にも導入可能である。
 LLNLコンピュータサイエンティスト、Saad Khairallahが、マルチフィジックスALE3Dを使って、緩和戦略背後のシミュレーションモデルを開発した。そのモデルをトレースするレーザ光線をさらに加えることで、予測の忠実度が向上した。
 Khairallahによると、問題の解決法は、「クルーズコントロール」をシミュレーション加えるようなものである。「シミュレーションにメルトプール深さを一定に保つように指示しただけである。それが問題を解決した。細孔は見られない。キーホールもない。付加的利点として、シミュレーションモデルの出力からパワーマップが得られる。これは、細孔形成を阻止するためにトラックに沿って位置の関数として必要なパワーを指示している」と説明している。
 レーザがスキャンする際に細孔を調べる最良の方法の一つは、X線を使ってメルトプール表面下を見ることである。研究者が単一の薄い粉体層を展開できる、LLNLに構築したテストチャンバを使い、LLNLとSLACの研究者はシンクロトロンビームラインでレーザスキャニング画像を撮った。シミュレーションとパワーマップの結果に触発されて、研究チームは、レーザパワーを一定に保つ時、表面下の細孔形成を示す実験を行った。また、一貫したメルトプール深さでは、曲がるときにパワーを低減すると、細孔がないことを示した。
 研究者によると、この研究は、レーザ粉体床溶融プロセスにさらなる洞察を提供し、そのプロセスで作製される金属コンポーネントの信頼度を高める科学に基づいたアプローチの可能性を証明している。
 「細孔は、不具合の実際的開始因子だ。細孔箇所で生ずる亀裂や他のプロセスと同じである。したがって、その部分から細孔を除去できれば、パーツは硬くなり、最終的に利用認定できるものになる」とMartinは言う。
 レーザ粉体床フュージョンは、多くの大手自動車、航空宇宙会社が好む金属3Dプリンティングであるので、その緩和戦略が産業的に採用されるとMartinは期待している。
 「当面、追加のエレクトロニクスが必要であるが、将来的には、恐らくソフトウエアに直接組み込まれるだろう。構築物にゆっくりと組み込まれるような微調整が望ましい」と同氏はコメントしている。
 チームの次のステップは、その戦略を、より複雑なスキャンパターンに関わる実際の部品製造に組み込むことである。格子構造のプリントにこの方法を活用すること、多層部品で細孔形成が始まる箇所を検出するために熱的、音響的、断層的方法を利用することに、研究チームは関心をもっている。

(詳細は、https://www.llnl.gov)