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レーザでセラミックスを溶接、炉は不要

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September, 6, 2019, San Diego--カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のエンジニアチームは、新しいセラミック溶接技術を開発した。
 研究成果は、Scienceに発表された。新しいプロセスでは、超高速パルスレーザを使い、接合面に沿ってセラミック材を溶かし、それらを融合する。プロセスは周囲温度で動作し、レーザ出力50W以下を使用するので、炉でパーツを加熱する必要がある現在のセラミック溶接法よりも実用的である。
 セラミックスは、基本的に溶接が難しい。溶かすために非常に高い温度が必要であり、亀裂の原因となる極端な温度勾配に晒すことになる、と機械工学、材料科学教授、Javier E. Garayは説明している。
 セラミック材は、生体適合であり、非常に硬く、耐破損性であるため、強い関心を集めており、バイオメディカルインプラントやエレクトロニクス保護ケーシングに理想的になっている。しかし、現在のセラミック溶接手順では、そのようなデバイスはできない。
 「現時点では、電子コンポーネントをセラミックス内に包み込む、あるいは密閉する方法はない。アセンブリ全体を炉に入れなければならないので、エレクトロニクスは燃えてしまうだろう」とGarayは話している。
 研究チームのソリューションは、2つのセラミックパーツ間の接合面に沿って一連のレーザ短パルスを照射する、熱が接合面だけで増大し、局所的溶融が起こる。チームは、この方法を超高速パルスレーザ溶接と呼んでいる。
 それを機能させるには、研究チームは2つの面を最適化する必要があった。レーザパラメータ(露光時間、レーザパルス数、パルス幅)、セラミック材の透明性である。適切な組合せで、レーザエネルギーはセラミックに強力に結合し、溶接が行われる。使用するのは、室温で低いレーザパワー(50W以下)である。
 「超高速パルスのスイートスポットは2 ps、繰り返しは1MHzであった。全パルス数は適度である。これは、溶解径を最大化し、材料アブレーションを最小化し、冷却を可能な最良溶接に適切な時間に制限した」とAguilarは説明している。
 「エネルギーを必要なところに集中することで、セラミックを通した温度勾配の設定を回避した。したがって、我々は、温度の影響を受けやすい材料を、それに損傷を与えることなく、包み込むことができる」(Garay)。
 概念実証として、チームは透明円筒キャップをセラミックチューブに溶接した。テストは、その溶接が真空保持に十分な強さであることを示していた。
 「我々の溶接で利用した真空テストは、電子デバイス、オプトエレクトニックデバイスで密封評価のために業界で利用されているものと同じテストである」と論文の筆頭著者、Elias Penillaは説明している。
 そのプロセスは、これまで、サイズ2㎝以下のセラミックパーツの溶接に使用されただけである。今後の計画は、その方法をもっと大きな規模に最適化する、また違うタイプの材料、形状に最適化することを含む。