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ダイヤモンドを使ってハイパワーレーザのビーム品質向上

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May, 7, 2014, Sydney--マッコーリー大学研究センタの研究チームは、ダイヤモンドがハイパワーレーザビームの品質を根本的に改善できることを実証した。これは数ミリ長のダイヤモンド結晶内で光学的相互作用を利用することによって可能になる。
 研究を主導するDr Aaron McKay氏によると、アプリケーションに最も重要なレーザビームの基本的な特性は、その品質、つまりコヒーレンスである。材料加工、環境センシング、リモートセンシング、防衛など多様なアプリケーションで高品質のレーザが必要とされている。
 ビーム品質と輝度は、レーザの価値を高める基本的な特性である。
 「ビームの輝度向上に使う標準的な方法は、レーザコンバータでビームを変換する方法であるが、こうするとパワー低下は避けられない。これは低出力ではよいかもしれないが、高出力ではコンバータの大きな放熱によってプロセスが悪影響を受ける」と研究リーダー、Aaron McKay氏は指摘する。
 重要な点は、同氏の研究チームが使用するデバイスは極めて効率が高く、出力ビームの輝度は入力ビームよりも50%高い。
 ダイヤモンドを使用する大きな利点は、その傑出した放熱能力にある。他の光学材料よりも高速であり、非常に小さなパッケージで変換が抵抗なしに行われる。
 「ダイヤモンドは非常にすばらしいレーザ材料である。非常に多くの面から、その特性は他の材料よりも遙かに優れているので、レーザの能力を大きく向上させることができそうだ」。
 このビーム変換は、誘導ラマン散乱(SRS)というプロセスを使って行われる。過去5年間、マッコーリ大学ではダイヤモンドでこの現象を研究してきた。「ラマンプロセスはビーム品質を向上させるだけでなく、レーザビームの変換も行う」。
 この非常に有用な特性によって研究チームは、ビーム特性がよくないハイパワーレーザをアイセーフ領域の赤外スペクトラムの高輝度ビームに同時変換できることを実証した。このスペクトラム域のレーザは、環境センシングや防衛など、レーザビームのフィールド利用で大きな需要がある。
 ダイヤモンドによって可能になるさらに魅力的な利点は、ダイヤモンドが非常に広いスペクトラム域で透明であるので、コンバータが生成できるレーザの色(波長)が幅広く、アプリケーションの幅も広いことである。