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3Dプリンティングで複雑なマイクロ物体を作製

August, 1, 2016, Stuttgart--ドイツのシュトットガルト大学(University of Stuttgart)の研究チームは、超高速レーザパルスと光学フォトレジストを用いて人の毛髪程度のサイズの光学レンズを作製した。
 パルス幅100fs以下のフェムト秒レーザは、ガラス基板または光ファイバの上の液体フォトレジストに顕微鏡で集光される。波長785nmの赤色レーザビームの2光子が、焦点となっているフォトレジストに同時に吸収される。レーザビームは、スキャナまたは基板を動かすことで基板上に方向づけされる。露光後、露光されなかったフォトレジストは溶剤で洗い流される。硬化した透明ポリマだけが残って光学素子を形成する。
 この方法を用いてサブマイクロメートル精度で光学的な自由形状面を形成することができる。3Dレーザ描画の精度により通常の球レンズだけでなく、高次のパラボリックや非球面など、さらに理想的な面も可能になる。2枚あるいそれ以上のレンズを持つ特殊光学レンズ系が、この方法で初めて実現可能になる。これは、前例のない品質で収差補正やマイクロレンズイメージングシステムに道を開く。
 第4物理学研究所Harald Giessen教授グループのTimo Gissible PhD学生は、わずか125µm径と高さのマイクロ対物レンズを光ファイバ上に作製した。これにより、最小限の身体の開口部あるいは機械部品検査に適した新しい極小内視鏡の作製が可能になる。
 Timo Gissiblは、CMOSイメージチップ上に直接、光学的自由形状面と微小対物レンズをプリントした。したがってこれは極めてコンパクトなセンサとなる。そのような光学部品を使い、ハチ程度の大きさのドローンから最小サイズのカメラが可能になる。また、自律走行自動車やロボット用の最小センサも考えられる。最小ボディセンサや携帯電話用のサラウンドカメラさえも実現可能である。
 研究チームは、この光学素子と照明システムを組み合わせることもできた。一定方向に光を集めるLED上の光学素子は、極めて小サイズにできる。さらに、リング形状、三角形、長円形状の照明が、そのような微小自由形状光学素子で実現可能である。