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中赤外3.1~3.2µmパルス/連続波を可能にする新型レーザ開発

February, 26, 2016, Washington--UK、バース大学(University of Bath)の研究チームは、これまでレーザ開発者の大きな課題であったスペクトル領域、3.1~3.2µm中赤外パルス/連続発振ができる新型レーザを開発した。
 中赤外域は現在、分光学、環境センシングや爆発物の検出に使われているが、今回の成果は中赤外レーザの新規利用開発に寄与する。
 新しいレーザは、ガスレーザとファイバレーザ両方の特徴を組み合わせている。ファイバレーザは、安定的で使いやすいため有用であり、高品質ビームを出力し、高出力が可能であり、冷却も容易。穴開き光ファイバ内に適切な気体(ガス)を入れることで研究チームは、中赤外発光のファイバ・ガスレーザを作製することができた。
 バース大学研究チームの共同リーダー、William Wadsworthは、「2.8µmを超えると通常のファイバレーザは出力が落ち始め、中赤外の他の主要技術、量子カスケードレーザ(QCL)は、3.5µmを超えないと発振しない。このため、非常に難しいギャップが残されている」と説明している。
 新型レーザ成功の決め手は、研究チームが開発した中赤外域で並外れて性能がよいシリカホローコア(穴開き)ファイバである。ホローコアファイバは、ホローコア内に光を閉じ込める内部ガラス構造を使う新型ファイバ。従来の光ファイバは固体ガラスコアに光を閉じ込めている。
 「ファイバ中の空間領域をバブルで取り囲むと、そのバブルに反射された光はホローコア内部にトラップされる」とWadsworthは説明している。
 レーザは、材料の電子を励起するのに電流か別のレーザを必要とする。アセチレンガスが中赤外で光を放出する。研究チームは、通信業界向けに設計されたレーザを使って励起できるので、アセチレンガスを利用した。ホローコアファイバは、同じ場所で光とガスをトラップする方法を可能にした。これにより、ここでは10mまたは11m長にわたり光とガスが相互作用する
 今回の成果では研究チームは、、フィードバックファイバを追加した。これは、デバイスを真のレーザにするために必要とされる最後のコンポーネント。フィードバックファイバは、アセチレンガスを含むファイバ内で生成する光から、わずかな量を取り出して、その光を別の光増幅サイクルのシード光に利用す。こうすることでレーザビーム生成に必要な励起パワーを少なくすることができる。
 新しい設計で重要な利点は、成熟した通信用ダイオードレーザの利用。これは実用的、安価、ハイパワーの入手が可能である。研究チームは、より高出力の励起レーザを利用してファイバ・ガスレーザの出力を高めることを計画している。
 研究チームによると、このファイバ・ガスレーザに使える他のガスは多いので、5µmまでの発光が可能である。