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NASA、初の3Dプリント宇宙カメラ

August, 11, 2014, Adelphi--9月末までにNASA航空エンジニア、Jason Budinoff氏は、ほぼ例外なく3D製造コンポーネントで組み立てた初のイメージング望遠鏡を完成させると見られている。
 「私の知る限りではの、望遠鏡全体を3Dプリンティングで作ろうとしているのはわれわれが初めてである」とBudinoff氏は話している。
 Goddardの内部R&D(IRAD)プログラムが支援する同氏の複合的なプロジェクトで同氏は、完全機能の50㎜カメラを作ろうとしている。その外管、バッフル、光マウントは全て1つの構造として3Dプリントされる。この装置はCubeSat向け。CubeSatは、各々幅4インチ程度のユニットで構成された小型衛星。望遠鏡は、従来通りに製造されたミラーとガラスレンズを備えており、来年振動試験と熱真空試験を行うことになっている。
 Budinoff氏は350㎜デュアルチャネル望遠鏡も組み立てている。そのサイズは典型的な宇宙望遠鏡の代表的なものである。
 Budinoff氏は、望遠鏡や装置構造が3D、積層造形法の進歩の恩恵を受けることを示すために両方の装置を開発している。この技術では、コンピュータ制御のレーザが金属粉末を溶かし、3D CADモデルによって指定された正確な位置に取り付ける。コンポーネントはレイヤーごとに造られるので、従来の製造アプローチで成型したり加工したりできないような内部の特徴や管を設計することができる。
 目的はそれを飛ばすことではない、少なくとも現在の所はそうではない。
 「これは草分け器だ。科学機器向けの望遠鏡を作ろうとすると、通常は数100の部品が必要になる。これらのコンポーネントは複雑で、作製は非常に高価だ。3Dプリンティングでは、パーツ数を全般的に減らすことができ、ほぼ任意の形状で作れる。従来の圧延、旋盤加工による制限を受けない」とBudinoff氏は言う。
 特に、2インチ装置の設計には、粉末アルミニウムとチタンでできた4つの異なる部品の製造が必要になる。それに匹敵する、従来製法で造られるカメラであれば、5~10倍の数の部品を必要とすることになる。さらに、望遠鏡の調整部品、望遠鏡の迷光抑制に役立つコンポーネントは、従来の製法では単一部品で造れないパタンで角度が付けられている。
 このカメラの組み立てが年度末に完成し、宇宙品質テストの準備ができた段階で、プロジェクトは、取るに足りないコストをかけて、わずか3ヶ月が経過したことになる。
(詳細は、www.nasa.gov)