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3Dプリンティングを利用した特注パーツで自動車製造に革命

January, 13, 2016, Mountain View--フロスト&サリバン(Frost & Sullivan)によると、3Dプリンティング技術のアプリケーション展開は現状では、極めて少量のパーツ製造や生産用具に限定されている。主因は、機械や原材料の高コスト、プリンティング速度、低レベルのソフトウエア最適化などである。
 したがって、原材料や機械の価格低下、先進的ソフトウエアの組み込み、プリンティングの高速化により、3Dプリンティングが自動車製造、サプライチェーン、アフターサービスに革命を起こす可能性がある。
 Frost & Sullivanの「自動車産業における3Dプリンティングの分析」レポートによると、3Dプリンティング技術は2025年までに自動車産業で43億ドルの市場規模となり、自動車製造やアフターサービスに一段と深く浸透する。その結果、3Dプリンティングによりメーカー、サプライヤ、さらには消費者も実質的な節約が可能になる。
 Frost & Sullivanの調査アナリスト、Viroop Narla氏は、「3Dプリンタの運用効率を最大化し、データ損失を減らし、改変やデータ窃盗を最小化するためには、高価なデータおよび通信システムだけでなく、包括的なトレーニングが必要になる」と指摘している。
 現在、Carbon3Dなどの新興企業が新しい3Dプリンティング技術を開発し、フォードなどの大手企業と提携している。目的は、技術の発展と開発時間の短縮。3Dプリンティング技術により、OEMsやサプライヤは様々なロケーションでプリントできるようになるので、待機時間や全般的なコストを縮小できる。究極的には、この技術によりユーザは個々の顧客の要求に合わせて特注部品を設計、プリントすることもできるようになる。
 2015年、自動車業界における3Dプリンティングの90%がプロトタイピングであり、製造向けは10%だった。しかし、従来の製造と3Dプリンティングで使用される原材料(プラスチックやポリマ)の価格差が40%低下すると、この比率は逆転する。
 「カーボンファイバ、金属粉末、チタンなどの画期的な材料が、プリントされた製品の機械的、化学的および熱特性を根本的に改善すると見られている。加えて、品質、よりよい製造工程に焦点を絞った機械が、優れた耐性と表面仕上げの製品を製造することで、後処理要件を低下させる」とNarla氏は説明している。