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ガンと闘う新たなツール、単剤光線治療システム

November, 9, 2015, Orlando--オレゴン州立大学(OSU)の研究チームは、単剤システムを用いるガンイメージングと光線治療分野における重要な前進を発表した。これは究極的には世界中でガン手術と治療を変革する可能性がある。
 OSUが開発した最新のアプローチは、単一の化学物質、シリコン・ナフタロシアニンを用いる。これは診断的、治療的価値がある。近赤外を受けるとガン細胞を光らせるので、医師はガンを特定でき、ガンの除去がより効果的にできるからだ。同時にこの化学物質は、ガン細胞が少しでも残っていると、そこで熱と活性酸素種を発生させ、ガン細胞を殺す。
 実験動物で行われたテストでは、腫瘍は副作用なしに完全に除去され、再発はなかった。成果は、Chemistry of Materialsに掲載されている。
 現在、ガンの主な処置は3通り、手術、放射線治療、化学療法だが、新技術が完成すると、光線療法領域の進化が新しい有望な処置になる可能性があると研究チームは見ている。
 光線療法には、そのアプローチが現状よりももっと効果的になる可能性がある。これは違うタイプの治療ではあるが、化学療法薬に耐性があるガン、既存の治療では対処できない問題がある他のガンに特別な価値をもつ可能性がある。
 論文の筆頭著者、OSU研究助教、Olena Taratulaは「研究チームはすでに生分解性、簡素、ロバスト、再生可能な改善された製剤を開発した。ガン細胞が蛍光を発するようにするこのシステムは、医師に特別な眼を与えるようなものである。現在、われわれが取り組んでいる化合物は残っている全てのガン細胞を殺す効果があり、安価である」と説明している。
 これまでの研究は実験動物の卵巣ガンで行ってきたが、処置は概念的に他の固形ガンにも利用可能である。動物実験では、副作用は全くなかった。
 シリコン・ナフタロシアニンのガン細胞への送達を助けるシステムは、今年初めに発表されたデンドリマベースの送達システムに変わるものであり、生分解性担体(キャリア)としてPEG-PCLという共重合体を用いている。そのキャリアによって、シリコン・ナフタロシアニンはガン細胞に選択的に蓄積され、約1日で最高レベルに達する。その時点で手術と光線治療が行われる。化合物は、その後自然に、また完全に身体から排泄される。
 「単剤システムは単純であり、ガン腫瘍だけをターゲットにすることができるので、大幅に結果を改善することになる」とOSUの准教授、Oleh Taratulaは説明している。
 OSU獣医学部で研究を継続し、この処置は実際にガン性腫瘍を持つ犬に適用され、その後人の臨床試験に進んでいくことになる。