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より確実なIDのために内部指紋を見るセンサを開発

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November, 5, 2015, Washington--フランスのランジュバン研究所(Langevin Institute)の研究チームは、指の内部を見て写真を撮る新しい指紋イメージングシステムを作製した。
 これは、より信頼度の高いセキュアな個人特定法である。重要な点は、その装置は指の内部を見るために以前使用されていた他の技術よりも簡素、高速、安価であることだ。
 同研究所のポスドク研究者、Egidijus Auksoriusによると、商用指紋センサの利用は広がっているが、そうしたデバイスにはまだ問題が残っている。人口の5%は、老齢のために指紋がつぶれたり、あるいは日常的な手作業、ロッククライミングなどのスポーツのために指紋が損傷を受けいて、そのようなセンサの利用が難しい。さらに、特定を逃れようとする人々は、指紋を消して意図的にそうしたセンサを阻止する、またシステムは偽の指紋にも欺かれる。
 こうした問題に対処するために、Auksoriusは、Langevin Instituteで科学計測を専門とするClaude Boccara教授と共同で、新しい「内部指紋」センサを開発した。
 現在のほとんどの光学指紋センサは、皮膚がガラスプレートに接触しないエリアからの光を反射することで画像を撮っており、これは皮膚の最上層だけから詳細な情報を取得する技術である。一方、AuksoriusとBoccaraのデバイスは、外部指紋と同じ模様を持つ「内部指紋」を撮像するが、これは皮膚表面から約1/2㎜程度の位置である。
 Auksoriusによると、内部指紋は表面が損傷を受けたときに再生する「マスターテンプレート」として使える。
 新しいセンサは、イメージング技術OCTの特殊変形を利用する。
 標準的なOCTは3Dデータを収集し、高度なレーザシステムと光ディテクタを必要とするので、これは高価になる。研究チームは、OCTの変形バージョン、全視野OCT(FF-OCT)を用いてシステムを簡素化した。FF-OCTは、同研究所が2000年代早期に発明、開発したものである。
 FF-OCTシステムの主要な利点は、指紋の2D画像を直接撮れる点にある。これにより時間の節約、データ処理の簡素化、ローコストが可能になる。全ての人の内部指紋が同じ深さにあるわけではないので、研究チームは先ず、ある角度で指紋画像を撮る方法も開発した。最初の画像は内部指紋の深さ特定に用いられ、次に指紋自体の第2画像を撮る。同システムは汗孔も撮像する。汗孔は、追加の特定手段を提供するものとなる。
 現在、同システムは靴箱程度のサイズであり、研究チムはそれをさらに縮小することに取り組んでいる。システムで最大にして最も高価な要素は、特殊赤外カメラで、約40000ドル。しかし研究チームは、1/5以下のコストのカメラを使って同等の画像を撮ることに最近成功した。研究チームは、その新しいカメラを用いた完成デバイスは10000ドル以下になると見ている。
 Auksoriumは、「新しいカメラによる最近の成果は、そのシステムが商業的に実現可能なソリューションとなり得ることを示している」とコメントしている。