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昆虫の複眼のような機能の液晶ベース複合レンズを開発

May, 26, 2015, Pennsylvania--ペンシルバニア大学の工学、物理学研究チームは、液晶を使って自然界にあるものと同じ複合レンズの作り方を実証した。
 この液晶が落ち着こうとする配置を利用して研究チームは、制御可能なサイズで複合レンズを造ることができる。
 これらのレンズは、焦点長が異なる一連の像を作り出す。これは3Dイメージングに使える特徴である。また、レンズは偏光感度がある。
 研究グループは、以前の仕事で、スメクティック液晶、透明な石けんのような材料が、シリカガラスの周囲に置いたときに、どのようにして自己組織化して花のような構造になるかを示した。これらの花の個々の「花弁」は「円錐焦点領域」となる。
 「複合レンズに対する液晶花が外見的に似ているので、その光学的特性に興味をもった」とMhoamed Amine Gharbi氏は言う。
 研究グループは、それが個別マイクロレンズアレイなのか、1つの大きなレンズとして働くか、と考えた。自然界には両タイプが存在する。
 そのレンズを造るために研究グループはフォトリソグラフィを用いてマイクロピラーのシートを造り、そのシート上に液晶を広げた。室温で液晶は柱の先端に付着し弾性エネルギーを発し、これが、結晶の円錐焦点領域が柱の周りに同心円的に整列するきっかけとなる。
 液晶レンズはこのように簡単に造れるので、その特性をテストする実験も比較的簡単だった。顕微鏡で適切な複合レンズを見つけ、それと顕微鏡の光源の間にテスト画像、マーカーで「P」と描いたガラススライドを置いた。
 ポスドク研究者Francesca Serraによると、そのアレイが単一レンズとして機能しているなら、サンプルの下に単一の仮想画像が現れるが、分離したマイクロレンズとして機能しているので、レンズの個々に多数のPを見た。
 焦点円錐領域のサイズは変化するので、最大が柱に最も近く、そこからサイズは小さくなっていき、マイクロレンズの各リングで焦点長が異なっている。顕微鏡の対物レンズを上げると、Pの画像が外から中のレイヤーに連続的に焦点に入る。
 「異なる面に焦点が合うと言うことは、3D画像の再構築が可能であると言うことである。その情報を使って、見ている対象がどれくらい離れているかを知ることができる」(Shu Yang工学教授)。
 3つ目の実験は、そのレンズが偏光感度があることを示した。
(詳細は、www.penn.edu)