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ライス大学、バイタルサイン計測にカメラベース非接触技術を開発

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April, 10, 2015, Washington--ライス大学の研究チームは、バイタルサインを非侵襲的に追跡する方法を開発している。Biomedical Optics Expressに発表された論文によると、現在改良を進めている新技術は血液量のモニタにビデオカメラを使用する。
 循環系は血液を体中に大量に供給するので、鼓動による血液量の微妙な変化はそれに対応した皮膚の色の変化となる。肉眼では検出できないが、研究チームはビデオカメラを使ってこの微妙な変化を追跡し、血液量、究極的にはバイタルサインについての正確な情報を引き出すことができると考えている。
 カメラを利用してバイタルサインを追跡するというアイデアは、フォトプレチスモグラフィ(PPG:光電式容積脈波記録法)、に基づいている。PPGは、皮膚表面の微妙な変化をモニタリングすることで皮下の生理学的過程を計測する方法。カメラベースのPPGは以前から研究されているが、アプリケーションはいくぶん限られている。十分に明るい部屋で静に座っている色白の人には有効であるが、肌が浅黒い場合、かすかに動いていたり、あるいは明かりが十分でない場合、この技術は有効でないことがある。
 ライス大学の研究チームは、こうした課題に対処する新しいアルゴリズムを開発した。これにより、カメラベースPPGの利用を幅広い臨床条件に拡大することが可能になる。顔全体からの色変化を単一の領域として計算するのではなく、このアルゴリズムでは、加重平均を利用して、顔の複数の領域からの計測を統合する。
 新研究の共著者、ライス大学院生、Mayank Kumar氏は「われわれの重要所見は、皮膚の色変化の信号の強さは顔の様々な領域で違っていると言うことだった」と説明している。このような違いは、周辺光の反射が異なっているために起こる。「したがって、加重平均を使い、顔の異なる領域から得た色変化の信号を統合するアルゴリズムを考案した。これによって取り出されるバイタルサインの精度が改善され、カメラベースのバイタルサインモニタリングの範囲、成立性、距離、実用性が急速に拡大した」。
 動きは、もっと難しい。顔の小さな動きでも、顔の異なる部分が光を反射する仕方を大きく変える。このような変化は、パルスを示す微妙な色変化を萎縮させ、信号とノイズとの区別がほとんど不可能になる。
 こうした問題を緩和するために、研究チームは、フェイストラッキングアルゴリズムを導入した。これは、重要な特徴点(目、鼻、口)の位置を特定し、それらの位置がビデオフレーム全体で変化しても、顔の領域を正確に追跡できるようにしている。
 「面白いことに、このような技術は他のコンピュータビジョンの分野では知られていたが、当面の問題には正しく適用されていなかった。われわれが動きの問題を理解すると直ぐに、追跡アプローチは理解しやすくなった」とKumar氏はコメントしている。
 新しいトラッキング技術をテストするために研究チームは、同じ活動を行っている成人をモニタした。フェイストラッキングアルゴリズムは、低レベルの動きの状況でPPG信号を改善した。例えば、患者が読書をしていたり、ビデオを見ていたりするとき。しかし、患者が話をしていたり、笑っていたりするときは、相対的に不正確のままだった。このように大きな動きは顔の光の反射率を大きく変え、信頼できる信号の取得をより困難にした。
 研究チームは、動きがあるときのPPGのパフォーマンスをさらに改善することを計画している。この技術が新生児集中治療処置室(NICU)の外で適用できるようになることを研究チームは考えている。例えば、この技術を使ったスマートフォンアプリによって、自分のスマートフォンのカメラを用いて患者が自分の健康を追跡できるようになることを狙っている。