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青色LEDでインスリン分泌をコントロール

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October, 23, 2014, Munich--ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン(LMU)の研究チームは、抗生物質製剤を化学的に改良して光で活性化するようにした。その結果、プロトタイプ化合物、JB253は、膵臓細胞に青色の光が照射された時にのみインスリン分泌を誘導する。
 合成、感光性、分子スイッチは、生きた細胞において生化学シグナル伝達過程のコントロールに使える。LMUとインペリアルカレッジロンドン(Imperial College London)の研究チームは、そのような光スイッチをスルホニル尿素化合物に組み込むことに成功した。この化合物は2型糖尿病患者血糖値調整で広く使用されている薬剤。
 LMU研究チームのDirk Trauner教授は、この実験的アプローチの背景となる基本原理を次のように説明している。「特定シグナリング分子の自然受容タンパク質に関連して、光で構造が変わる化合分子スイッチをわれわれは利用する。その化学スイッチは、特定の色の光に依存して受容体の機能を効果的に変える。光は非常に高精度に制御可能であり、したがって関心のある受容体を高い特異性で狙うことができる。さらに、その活性化反応は、それ自身可逆的である」。
 2型糖尿病では、分泌されるインスリンの量が不十分で、ホルモンに対する反応低下を十分に補償できない。そのため、インスリン分泌を促進するスルホニル尿素がその病気の治療に使用される。研究チームは、感光性スルホニル尿素、JB253を合成し、実験でインスリン分泌を促進する能力をテストした。その化合物を持つ膵臓細胞が、青い光を受けたときにのみインスリンを分泌することが示された、つまり目標とするタンパク質、カリウムチャネルによって認識される形にJB253が変換されると言うことである。光をスイッチオフすると、JB253は不活性型に戻り、カリウムチャネルに対する効果と下流シグナル伝達経路は停止する。
 このアイデアは、感光性薬剤をピルの形で管理し、皮膚の一部に青色LEDを照射することによって活性化するというものである。光のスイッチを切ると、薬剤は不活性に戻る。
 次の課題は、この新しいJG253が2型糖尿病の動物モデルで実際に血糖値を下げることができることを実証することである。