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新しい酵素阻害薬、ガン治療、自己免疫疾患に有望

December, 12, 2022, Chicago--イリノイ大学シカゴの研究者は、免疫プロセスを操作できる小さな分子を見つけた。これは、ガンや自己免疫疾患で重要な役割を担っている。

その発見は、Angewandte Chemie 論文、タイトル “Discovery of the First Selective Nanomolar Inhibitors of ERAP2 by Kinetic Target-Guided Synthesis.”として発表された。

研究チームは、まず免疫系の機能方法、他の病気が処置に抵抗できる理由を研究した後、その分子、免疫阻害剤を見つけた。

「腫瘍は、非自己ペプチド抗原つまり新抗原の形で、細胞表面マーカーを提示することができる。これにより腫瘍は、免疫細胞の一形態、T細胞による認識と除去に極めて敏感になる。T細胞は、新抗原の認識に基づいて腫瘍を殺す」とUIC、医学部、マイクロバイオロジー、免疫学教授、Marlene Bouvierは、説明している。「したがって、T細胞に対する腫瘍の可視性は、T細胞ベースの免疫治療が成功するかどうかにとって極めて重要である。残念ながら、ほとんどの腫瘍は、その表面での新抗原の表現レベルが極めて低く、その結果、免疫治療に抵抗する」。

研究では、チームは、小胞体アミノペプチダーゼ1と2、つまりERAP1および ERAP2に注目した。これらは、細胞内のペプチド抗原や新抗原のトリミング、オーバートリミングに関与するタンパク質。

「ERAPsによる腫瘍の新抗原オーバートリミングは、T細胞による腫瘍認識と破壊を説明する見逃していた機会である」(Bouvier)。「こうして、小さな分子阻害剤によるERAP1および ERAP2機能の調節は、そのオーバートリミング機能を和らげ、腫瘍の可視性を高め、腫瘍に対する免疫反応を強化するわくわくするようなアプローチである」と同氏は、話している。

研究では、UICチームは、ERAP2の最初の極めて強力で選択的な小分子阻害剤の発見について説明している。

「われわれは、そのような阻害剤の発見に、動的ターゲット誘導合成を利用した。次にわれわれは、X線結晶解析を使い、分子レベルで、小分子の結合モードを明らかにした。これによりわれわれは、より大きな効力と選択性のための設計を改善できた。また、最適化された類似物の中には、創薬の取組のリード化合物を表すものがあることを示した」(Bouvier)。

研究者によると、ERAP2のそのような小分子は、他のガン治療と連携して利用できる、さらに自己免疫および感染病など、抗原の細胞表面提示に依存する他の病気の治療にも利用できる。

(詳細は、https://today.uic.edu)