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LMU、自己組織化:ロボット工学でアメーバから学べるもの

December, 5, 2022, Munich--LMU(Ludwig Maximilian University of Munich)研究チームは、生物学的システム、技術的システムが、外部のガイダンスなしで複雑な構造を形成する方法を説明する新しいモデルを開発した。

アメーバーは単細胞生物である。自己組織化によりアメーバーは、複雑な構造を形成できる。また、これは純粋に局所的相互作用による。食べ物がたくさんあればアメーバーは、培養基に均等に分散する。少ないと、環状アデノシンリン酸(cAMP)として知られるメッセンジャを発する。この化学的信号によりアメーバーは、1箇所に集まり、多細胞凝集体を形成する。結果は、子実体である。

LMU物理学部のErwin Frey教授は、「その現象はよく知られている。しかし、これまで、情報処理が、一般的レベルでエイジェントのシステムの集合にどう影響するかを研究したグループはなかった。個々のエイジェント、われわれの場合はアメーバが、自己推進的である」と言う。これらのメカニズムについてのさらなる知見は、それらを人工の技術システムに転換するという点では、興味深い。

他の研究者と共にFreyは、Nature Communicationsに、環境内で情報を処理するアクティブシステムが、技術的あるいは生物学的アプリケーションに、どのように利用できるかについて説明している。それは、個々のエイジェント間のコミュニケーションの全ての細部の理解についてではなく、自己組織化を通じて形成された特殊な構造についてである。研究は、Igor Aronson教授との協力で行われた。

生物学的メカニズムから技術的アプリケーションまで
「活性物質」という言葉は、生物学的あるいは技術的システムについて言っている。それから、もっと大きな構造が自己組織化によって形成される。そのようなプロセスは、アメーバー、言うまでもなくロボットなどの同一、自己推進ユニット間の全くの局所的相互作用に基づいている。

生物学的システムからヒントを得て研究チームは、自己推進エイジェントが相互に意思疎通する新しいモデルを提案している。これらのエイジェントは、化学的、生物学的、あるいは物理的信号を局所レベルで認識し、その内部機構を利用して個別決定を行う。これが総体的に自己組織化となる。この方向性は、より大きな構造の誕生となり、それは複数の長さスケールにまたがることが可能である。

アクティブマターの意思疎通という新しいパラダイムは、研究の基盤を形成する。信号や情報伝達に応じた局所的決定は、総体的に制御された自己組織化になる。

Freyは、その新しいモデルのあり得るアプリケーションをソフトロボットと考えている。つまりソフトな物質でできたロボットである。ソフトロボットは、例えば、人体の中での作業に適している。それらは、身体の特定の箇所で薬剤の管理などの目的のために電磁波で他のソフトロボットと意思疎通できる。新しいモデルは、ロボット群の集団的性質を特徴付けることでそのようなロボットシステムをナノテクノロジー専門家が設計する際に役立つ。

「個々のエイジェントが、どのように相互に意思疎通するかを大雑把に理解すれば十分である。後は、自己組織化が引き受ける」(Frey)。「これは、特にロボット工学におけるパラダイムシフトである。ここでは研究者たちは、精密に反対のことをしようとしている。非常に高いレベルの制御を獲得したいのだ」。しかし、それは、常に成功するとは限らない。「われわれの提案は、反対に、自己組織化機能を活用することである」。