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光の力で抗原抗体反応を加速、微量たんぱく質を3分で検出成功

October, 12, 2022, 大阪--大阪公立大学 研究推進機構 協創研究センター LAC-SYS研究所の飯田琢也 所長、床波志保 副所長らの研究チームは、生体中の分子認識機構の一種である抗原抗体反応の光誘導加速に関する新原理を発見した。

研究は、標的たんぱく質とこれに選択的に結合する抗体を修飾したプローブ粒子を人間の毛髪や細動脈と同程度の幅の流路に導入し、赤外レーザ光をわずか3分間照射することで従来のたんぱく質検査技術の約100倍の高感度の検出を可能とし、数十アトグラム(アトグラム=10^-18グラム)レベルでの迅速微量計測に世界で初めて成功した。今回計測した最小濃度0.31ピコグラム・パー・ミリリットルのたんぱく質分散液の場合、濃度と測定領域を通過した液量(300ナノリットル)から換算して46.5アトグラム(約2600個)、つまり約2京分の1グラムの標的たんぱく質をわずか3分間で計測できたことに相当する。たんぱく質は遺伝子(DNA、RNA)のようにPCR法で増幅できないが、狭小空間に閉じ込めてレーザ照射するだけの簡単な操作によって濃縮して反応を加速させることで、迅速かつ高感度に検出ができることを実証した。

研究成果は、2022年10月6日、「Communications Biology」にオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.nature.com/articles/s42003-022-03946-0)