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LLNL、腫瘍/免疫細胞の相互作用が、ガン免疫治療に影響

May, 2, 2022, Livermore--ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の研究チームは、ガン細胞と細胞外マトリクス(ECM)、臓器の「スカフォールディング」の相互作用を研究しており、ECMのタンパク質が、腫瘍を殺す免疫系の能力に劇的に影響することを確認した。研究者によると、 Biomaterialsに発表された成果は、多くの乳ガンに見られる免疫抑制研究への新たなアプローチを示しており、ガンを標的にする免疫系活性化の新たな道を開く。

論文では、LLNLエンジニアと生物学者は、T-細胞の有効性をテストするための測定法の開発を報告している。健康な人で、前ガン細胞を監視、除去するT細胞、白血球。しかし、ほとんどの乳ガンでは、これらT-細胞は、その仕事ができない。

研究チームは、ECMの様々な合成物(細胞周囲の構造サポートシステムを構成する分子とタンパク質)の上に腫瘍と免疫細胞を培養した。9個のECMタンパク質の36の異なる組合せで25000細胞をスクリーニングすることで、チームは、初めて、免疫細胞の腫瘍除去能力が、ECM基板の構成によって定まることを実証した。

「驚いたことは、腫瘍を殺す免疫細胞の能力が、腫瘍が乗っているもの(スカフォールディングタンパク質)に依存することの発見だった」とLLNLの機械エンジニア、Claire Robertsonはコメントしている。同氏は、その研究のリーダー。「ECM環境に依存して腫瘍細胞は、完全な影響を受けて全滅するか、完全にT-細胞に耐性をもったままかのいずれかだった」。

中でも注目すべきは、Collagen IVが存在すると、乳ガン細胞は、一段と成長してT-細胞への耐性が高まると見られ、それに対してT-細胞は全滅すると見られることの発見だった。「Collagen IV に触れているT-細胞は、その仕事をしなかっただげてはない。実際、いつでもCollagen IVが、混合物の中にあること確認し、腫瘍細胞の代わりにT-細胞が死んでいった。腫瘍があるなら、正に起こって欲しくないことである」。

Collagen IVの中ではT-細胞は、有害な細胞を殺すことに関与する遺伝子サインのスイッチを切り、他方で腫瘍細胞が、もはや腫瘍細胞が存在しないと言うメッセージをT-細胞に送るサイトカインのシグネチャをONにすることも発見した。

Robertsonによると、実験結果は、プログラムされた細胞死リガンド1 (PD-L1)阻害物質(様々なガンの予測を改善してきた)のような免疫チェックポイント療法が、乳ガン処置でほとんど無効であった理由についての手がかりを提供している。乳ガンは、バイオマーカーとしてPD-L1進展を滅多に表現しないので、患者をそのような治療に不適格にする、と同氏は説明している。重要な点は、Collagen IVで培養した腫瘍細胞がPD-L1のスイッチを切るが、なおも全くの免疫抑制を示しており、人の乳ガンで起こることを模擬している点である。

「問題は、これらの患者で免疫系を活性化するためにわれわれが、何ができるかである。実際、素晴らしいことは、免疫抑制の唯一無二のメカニズムを見いだしたことである。つまり、ガンを標的にする全く新しい方法を手に入れたのである」と同氏は、コメントしている。

研究者によると、開発したパイプラインは、乳ガンを越えてほぼどんな形態のガンにも適用可能である。

「この研究は、腫瘍の生物学を理解するための重要要素を特定して抽出に向けた新しいアプローチを提供している。より的を絞ったガン治療に斬新な洞察を提供する可能性がある」と論文の共著者、Matt Colemanは、話している。同氏は、研究所のバイオサイエンス&バイオテクノロジー部門のトランスレーショナル免疫学グループリーダー。

チームの次のステップは、どんな薬剤が、Collagen IV、腫瘍細胞、T-細胞間の相互作用を標的にできるかを決めること。最終的な目標は、乳ガン患者の免疫系を活性化する新しい治療候補を開発することである。

「われわれのLDRD SIでは、3D腫瘍モデルプラットフェームの開発を始めた。もし何かを構築できるなら、それを本当に理解できるという考えで開発する」とLLNLのバイオメディカルエンジニア、MonicaMoyaは話している。
(詳細は、https://www.llnl.gov)