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MSU、UV光によるDNA損傷回避方法を検証

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August, 14, 2014, Bozeman--モンタナ州立大学(MSU)の研究チームは、UV光に暴露されたときにDNAがどのように反応するかについて新たな論文を発表した。
 研究成果は、太陽光の紫外線によるDNA損傷について基本的な理解を進めるものである。この損傷は、皮膚ガン、老化、ある種の変性眼疾患に至る可能性がある。
 DNAは非常に強い耐性があり、一般に紫外線に対して抵抗力があるが、紫外線は突然変異を起こすことができる。UV暴露は皮膚ガンの主因であり、米国だけで毎年約500万の皮膚ガン症例が出ており、それに関連する死者は9000人である。DNAがもっと損傷を受けやすいなら、この数字は遙かに大きくなると思われる。
 簡単に言うと、UV光は電子をDNAストランドの1つの塩基から別の塩基に移動させる。塩基は遺伝コードの最小単位、最小分子であり、DNAラダー(ハシゴ)の「ラング」(横木)を構成する。
 次世代太陽電池でも光は電子を移動させるが、DNAでは移動した電子が、ナノ秒以下の短い時間で、スタート位置に戻ってくることを研究チームは観察している。電子のこの往復運動は、ほとんどの場合、DNAに損傷が残らないことの説明となっている。併せて研究チームは、移動した電子は、ある修復タンパク質のUV損傷修復法を真似るように、損傷修復にも使えると指摘している。
 超高速分光学の専門家であるYuyuan Zhang氏は、DNAにおける振動を計測するためにDNAサンプルでUV光の超短パルスを捉える測定装置を作製。振動は非常に速いので、その速度はナノ秒ではなく、フェムト秒である。
 その振動を解析することで研究チームは、DNAの単一ストランドで1つの塩基が、UV光で励起されると、同じストランドの隣接塩基に電子を転移させることを確認できた。分子は絶えず振動しており、光吸収は振動を一段と大きくする。電子を取り除いたり加えたりすることは、振動のパタンを変えることになり、研究チームが実験室で計測したことはこのことである。
 使用した装置はMSUの化学・生命化学ビルのほぼ一部屋を占めている。それには、ブラックボックス、ミラー、スタックしたレーザブレード、微小プラスチックチューブ、魚のタンクのように見えるものが含まれており、全てのコンポーネントが目的をもっており、それらを支えるスチール光学テーブルに置かれている。例えば、レーザブレードは、光ビームを阻止する。ミラーは光を「魚タンク」に向ける、そのタンクにはDNAサンプルが入っている。タンク内の空気は砂漠よりも乾燥しており、実験を阻害する水蒸気や二酸化炭素が含まれないようにしている。
 Zhang氏によると、この装置の開発に3ヶ月かかった。