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超高速イメージング、多波長レーザベース連続時間符号化振幅顕微鏡

August, 1, 2014, Beijing--超高速リアルタイム光イメージングは、衝撃波、レーザ手術、生きた細胞の科学力学など、力学現象を研究するための効果的で重要なツールである。CCDやCMOSイメージングデバイスなど、従来のイメージングシステムは、フレームレートに限界があり、高速の動力学的過程を撮像することができない。
 過去数年、周波数-時間マッピングと組み合わせた空間周波数マッピングベースの連続時間符号化振幅顕微鏡(STEAM)技術が、全く新しい光学イメージング法として実証された。空間分散器と分散素子を用いることで、空間情報を時間的シリアルシーケンスに変換し、シングルピクセルPDで検出してリアルタイムオシロスコープで捉えることができる。しかし、この方法は大きくて高価なパルスレーザを必要とする。この種のレーザでは、スペクトル幅が一般に10nm程度に制限されており、これは計測範囲の制限となる。加えて、パルスの繰り返しレートは数十MHzに固定されており、これもまたイメージングフレームレートを数十MHzに固定することになる。
 先頃、新しい研究「多波長レーザベース、超高速イメージング用連続時間符号化振幅顕微鏡」がChinese Science Bulletinに発表された。中国科学アカデミー半導体研究所のLi Ming教授のグループが、これらの限界を克服するために多波長レーザを用いてSTEAMシステムの解決策を見いだした。相互に位相を無相関としたレーザ発振ラインをベースにすることで、同システムは広帯域コヒレントレーザ光源の必要性を回避し、計測範囲の限界とイメージングフレームレートの限界も回避した。パルスレーザと比較して、多波長レーザを光源に使用することでSTEAMシステムのコストを大幅に下げることできる。計測範囲は、波長数を増やすだけで拡大できる。フレームレートも、ゲートレートを電気的に調整することで再設定可能。この研究では、250MHzまで上げたフレームレートを達成した。フォトニック集積回路(PIC)を開発することで、多波長レーザ光源はフォトニックチップに集積でき、STEAMシステムのサイズもコストも、将来的には大幅に削減できる。