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ライス大学ナノフォトニクス、強力な分子センサを開発

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July, 22, 2014, Houston--ライス大学ナノフォトニクスの研究チームは、分子の光学指標を約1000億倍増幅する独自のセンサを作製した。新たに公表されたテストによると、デバイスは20原子程度を含む個別分子の組成と構造を正確に特定できる。
 この新しいイメージング法は、複雑ではあるが量産可能な光増幅器と組み合わせてラマン分光を使用する。ライス大学のナノフォトニクス研究所(LANP)の研究チームは、この単一分子センサは、これまでに報告したデバイスよりも約10倍強力であると説明している。
 「この理想的な単一分子センサは、分子の構造や組成について予め情報がなくても、未知の分子を、非常に小さなものでも特定することができる。これは現状の技術ではできないが、この新しい技術には、そのような能力がある」とLANPディレクタ、Naomi Halas氏はコメントしている。
 研究チームは、ラマン信号を強めるために多くの技術を開発した。新しい研究では、大学院生Yu Zhangは、「コヒレントアンティストークスラマン分光」(CARS)と言う、2つのコヒレントレーザを使う技術を利用した。4つの微小ゴールドナノディスクでできた光増幅器と連動してCARSを利用することで、強力な新しい方法で単一分子を計測することができた。LANPは、この新技術を「表面強化CARS」(SECARS)と名付けている。
 「第2のレーザがさらに増幅力を強めるので、SECARSにおける2つのコヒレントレーザセットアップは重要だ。従来の単一レーザでは、フォトンは、吸収と再放射の2段階を通過する。光指標は、通常、1億倍~100億倍に増幅される。第1のレーザと位相がそろった第2のレーザを加えることでSECARS技術は、より複雑なマルチフォトンプロセスを用いる」とZhang氏は説明している。
 Zhang氏によると、追加した増幅力によってSECARSは、ほとんどの未知のサンプルに対処できる力を得る。
 SECARSプロセスのもう1つの重要なコンポーネントは、そのデバイスの光増幅器。これは4つの微小なゴールドディスクを精巧なダイヤモンド形状にアレンジしている。4つのディスクの中央部のギャップは約15nm幅。「ファノ共鳴」という光学効果により、分子の光指標がそのギャップに捉えられ、飛躍的に増幅される。これは、4ディスク構造の効率的な集光性と信号散乱特性による。
 ファノ共鳴は、ディスクの特別な幾何学的配置を必要とする。この4ディスク「クオドルーマ」(quadrumer)のようなファノ共鳴プラズモン構造をLANPの専門家が、設計、製造、解析した。
 Zhang氏によると、このクオドルーマ増幅器はSECARSの決め手になる重要技術。一つには、その増幅器は標準的な電子ビーム露光技術で作製され、簡単に量産できるからである。
 「15nmのギャップは小さいように聞こえるが、ほとんどの競合デバイスのギャップは1nmオーダーである。1nmデバイスで欠陥が最も少ないものでも大きな効果を持つので、われわれのデザインは、それよりも遙かに強力である。ギャップが大きければ大きいほど、ターゲットエリアは大きくなる、つまり計測エリアが大きいと言うことだ。われわれのデバイスのターゲットエリアは、1nmデバイスのターゲットエリアよりも数100倍大きい。われわれは、ターゲットエリアのどこでも分子を計測することができる、正確に中央でなければならないということではない」(Zhang氏)。

画像)ライス大のSECARS分子センサ。4個のゴールドディスクをダイヤモンド形状にアレンジ。