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生物模倣の内視鏡、同時に3D可視とNIR画像

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January, 7, 2021, Washington--中国科学アカデミーの研究者は、可視光と近赤外蛍光画像を同時に撮れる新しいバイオ模倣医療用内視鏡を開発した。特徴は、人間の視覚の高解像度3Dイメージングと同時に多波長の光を検出するカマキリやエビの能力を統合した光学設計である。

3Dイメージング機能を持つ内視鏡は、医者が病気の組織を正確に発見するために役立てることができる。蛍光イメージングを追加することで、ガン組織が点灯し、切除が容易になる。また手術中に回避すべき組織の重要部分を目立たせることができる。

Optics Expressでは、中国科学アカデミーのChenyoung Shiのチームは、新しいマルチモード内視鏡を説明し、実証している。これは初期のデモンストレーションであるが、新しい内視鏡は、既存の内視鏡を直接置き換える設計となっている。医者は、新しい装置の使い方を学ぶ必要はない。

「既存の蛍光3D内視鏡では、外科医は、手術中に動作モードを切り替えて蛍光画像を見る。われわれの3D内視鏡は可視光と蛍光3D画像を同時に撮るので、より多くの視覚情報を提供するだけでなく、動作時間を大幅に短縮し、手術中のリスクを低減する」とShiは説明している。

ロボット手術を支援
どんな内視鏡手術にも使えるが、研究者はロボット手術システム向けに新しいマルチモード内視鏡を設計した。これらのシステムは、侵襲性の少ない手術の精度向上に役立ち、身体の密閉域での外科医の複雑な手術に使える。ロボット手術では、新しい内視鏡による強化された視覚情報は、患者とは別の部屋で、術野の様々な種類の組織を明確に区別する外科医にとって有用である。

「今日のロボット手術システムでは、医者がそばにいなければならないが、このマルチモード3D内視鏡に基づいたロボット手術では、いずれ、医者は、遠く離れた位置から遠隔手術ができるようになる。これは医療資源の不均等な分布という問題の解決に役立ち、比較的に医療条件が貧弱な場所に生活している人々にメリットがある」とShiはコメントしている。

新しいマルチモード内視鏡は、2つの光学系を使用して高分解能3Dイメージングを達成している。これは人の眼と同様の双眼設計となっている。しかし、この場合、光学設計は、人の眼と同じ可視光と、蛍光イメージングに必要なNIR波長の両方を収容できる。この光は、カマキリ・エビの複眼を模倣したセンサにより検出されるので、マルチスペクトル情報とともに偏光も認識できる。そのセンサは、様々なスペクトルと偏光反応を持つピクセルを使うことで電磁スペクトルの多重部分を検出する。

高品質3D画像を撮るには、双眼光学系は、全く同じパラメタの2つの光学系を持っていなければならない。「これは、光コンポーネントの処理精度に厳しい要求を課している。われわれは、このマルチモード3D内視鏡を実現するために、正確な光学的処理、これをチップベースの分光技術と統合し、それを利用してこの精度を達成することができた」(Shi)。

可視と蛍光画像の統合
新しい内視鏡をテストするために研究チームは、その分解能、蛍光イメージング機能、近赤外(NIR)と可視波長情報の3D画像の同時取得能力を分析した。内視鏡は良好に機能し、可視光では7ラインペア/㎜、)今日利用されている最高の3D内視鏡と同じ)、近赤外光では4ラインペア/㎜を達成した。

次にその内視鏡を使って、可視光とインドシアニングリーンの3つの濃度の蛍光画像を取得した。このNIR蛍光ラベルは、FDA認定であり、腫瘍組織のラベルづけに使用されている。3つのサンプルは、人の眼では区別できなかったが、マルチモード3D内視鏡を使うことで明確に区別できた。研究チームは、内視鏡の3Dイメージング性能もテストした。それを使って、多数の十字部分を持つ玩具を撮像した。その内視鏡は、長時間見ていても眼精疲労を起こすことなく3D画像を生成することができた。

研究チームは、その3D内視鏡を使って、さらなる生物学的、臨床的イメージングを行う計画である。また、さらに多くの波長と、より多くの視覚情報を提供できるように偏光をセンシングする能力を組込む計画である。