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ラマンホログラフィック技術で、生細胞と組織研究

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December, 24, 2020, Tarragona--ICFOとルビーラ・イ・ビルジーリ大学(University Rovira i Virgili)の研究チームは、新しいラマンホログラフィック技術を報告している。これは一つの画像から個々の粒子を3Dボリュームで追跡できる。

ラマン分光は、分子の構造フィンガープリントにより分子を同定するための分析科学で広く利用されている。生物学的には、ラマン反応によりラベルフリーで貴重な特定のコントラストが得られる。これにより様々な細胞と組織の内容を区別できる。しかし、自然ラマン散乱は、非常に弱く、蛍光よりも10桁以上弱い。蛍光顕微鏡は、生きた細胞のイメージングアプリケーションで好んで選択されることがよくある。ラマンは、金属表面、金属ナノギャップで飛躍的に増強でき、この表面増強ラマン散乱()SERSは、生物学的センシングアプリケーションには有望な候補となっており、蛍光反応さえも圧倒する。ナノメトリックSERSプローブは、生物学的センシングアプリケーションの有望な候補であり、固有の分子特異性を維持する。しかし、SERSプローブの効果は、粒子サイズ、安定性、輝度に大きく依存しており、これまでのところ、SERSプローブベースのイメージングはめったに適用されていない

今回、iCFO研究者、Matz Liebel およびNicolas Pazos-Perezは、「ホログラフィックラマン顕微鏡」を提案した。両氏は、ICREA教授、Niek van Hulst (ICFO) とRamon Alvarez-Puebla (Univ. Rovira i Virgili)のグループで研究している。
 最初に、小さなナノ粒子ビルディングブロックからプラズモニックスーパークラスタを合成して、限られたクラスタサイズで強力な電界を生成した。この高輝度SERSナノプローブは、近赤外の低照射露光を必要とする。こうして生細胞の潜在的光損傷を最小に抑え、広視野ラマンイメージングを可能にする。次に、3Dホログラフィックイメージングを実現するために高輝度SERSプローブを活用する。これには、Science AdvancesでLiebelチームが開発したインコヒレントホログラフィック顕微鏡スキームを利用する。インコヒレントラマン散乱は、ラマンホログラフィを達成するために「自己干渉」するように作られている。

LiebelとPazos-Perezは、広視野ラマン画像のフーリエ変換ラマン分光法を実証し、シングルショットから3DボリュームでシングルSERS粒子を見つけることができた。チームは、この機能を使って3Dで、生細胞内のシングルSERSナノ粒子を特定し、追跡した。

研究成果は、nature Nanotechnologyに発表された。これは、生細胞と組織の調査、恐らく偽造防止アプリケーションを含む多くの様々なシナリオにおける多重シングルショット3D濃度マッピングへの重要な一歩である。

(詳細は、https://www.icfo.eu)