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リアルタイムで脳回路をマッピングする方法

November, 13, 2020, Pasadena--脳についての理解を深めるために神経科学者は、感覚情報を処理したり、新しい記憶を形成するなどのタスクに関わる神経回路を非常に詳細に対応付けることができなければならない
 Caltechの研究チームは、新しいアプローチを説明している。特定脳回路内で、数1000から数100万のニューロン全体の活動のリアルタイム観察を可能にするアプローチである、”Perspective”に発表されたその新方法は、著者たちによると、現在のどんなアプローチと比べても潜在能力は著しく高い。

その新技術は、「集積ニューロフォトニクス」と言い、微小なマイクロチップアレイを利用する。これは、脳内のどんな深さにもインプラントでき、蛍光分子レポータおよび光遺伝学アクチュエータと組み合わせて、光学的にニューロンをモニタし、それぞれ、その活動を制御することができる。アレイは、マイクロスケールの光ビームを発して、周囲の遺伝子操作されたニューロンを刺激し、同時に、これらの細胞の活動を記録して、それらの機能を明らかにする。研究は、現在、動物モデルのみで行われているが、論文の主席研究者、Michael Roukesによると、それはいずれ人間の脳内深部の回路を解明できるようになる。

「深部での稠密記録、それが重要である。われわれはすぐに脳の全活動を記録できるわけではない。しかし、特殊脳領域の重要なコンピュータ構造の一部にわれわれは焦点を当てる。それがわれわれの動機である」(Roukes)。

ニューロサイエンティストは近年、光遺伝学を利用して、齧歯目を含むモデル動物のかつてないほどの大きなニューロングループの研究を始めた。光遺伝学では、ニューロンは遺伝操作されて、グリーン蛍光タンパク質(GFP)など特別なタンパク質マーカーを表現する。GFPの存在により、細胞は、青色光を照射されると緑に光り、神経活動の可視指標となる。センサ分子とこれらのマーカーを融合することで研究者は、この蛍光を変調して、局所活動を示唆するニューロンを設計することができる。光遺伝学は、神経科学研究に固有の一部の問題を解決する。この場合、インプラントされた電極を利用してニューロンの電気的活動を計測する。脳のすべての電気活動のために、平均して、単一ニューロンだけを信頼性良く計測できる。脳は、伝達に光を使わないので、光遺伝学により、これら多数の神経信号を追跡することは容易である。

Caltechシニアリサーチサイエンティスト、論文の主筆、Laurent Moreauxによると、しかし脳の現在の光遺伝学研究は、大きな物理的制約を受けている。脳組織は、光を散乱、吸収する。つまり外部から脳に照射された光は、その中でわずかな距離しか進めない。このため、脳表面から約2mm以下の領域しか光学的に研究できない。これが、最もよく研究された脳回路が通常、感覚情報を伝達する簡素なものである理由である。マウスの感覚皮質などは、表面付近に存在する。要するに、現状では、光遺伝学的方法は、脳深部にある回路を簡単には洞察できない。これには、高次の認識、学習プロセスも含まれる。

Roukesのチームによると、集積ニューロフォトニクスは、その問題を回避する。同技術では、完全なイメージングシステムの微細素子が脳深部にある複雑な神経回路付近にインプラントされる。海馬(記憶生成に関与)、線条体(認識制御)、前例のない分可能の他の基本的構造などの領域である。同様の技術fMRIは、脳全体をイメージングるするために現在使用されているスキャニング技術である。fMRIの各ボクセル(3Dピクセル)は、一般に体積が約1立方メートルで、10万程度のニューロンを含む。各ボクセルは、したがって、これら全10万細胞の平均代謝活動を表す。

「集積ニューロフォトニクスの重要な目標は、10万の集合の各ニューロンがリアルタイムでしていることを記録することである」(Roukes)。
 
同氏の長期目標は、集積ニューロフォトニクスの先進的計測器を広め、この新しい技術で、最先端のニューロサイエンス先駆的研究をしている多くの研究機関の協働を可能にすることである。