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可視光応答形光触媒による新型コロナウイルス不活化を確認

October, 8, 2020, 東京--東京工業大学(物質理工学院 材料系 宮内雅浩教授)、奈良県立医科大学(微生物感染症学講座 中野竜一准教授)、神奈川県立産業技術総合研究所(研究開発部 抗菌・抗ウイルス研究グループ)の研究グループは世界で初めて可視光応答形光触媒材料(CuxO/TiO2)による新型コロナウイルスの不活化を確認した。その不活化条件を実験的に明示することにより、光触媒による抗ウイルス効果を学問的に示した。

東京工業大学及び神奈川県立産業技術総合研究所は東京大学と共同で国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」において、非常に高い抗ウイルス効果を持つ可視光応答形光触媒材料の開発に成功している。この光触媒材料は酸化チタンと酸化銅からなり(CuxO/TiO2[用語2])、可視光照射下のみならず光のない状況においても、高い抗ウイルス効果を持つことをすでに報告している。
 今回の新型コロナウイルスによる評価結果でも、暗所ならびに日常空間で得られる光照射(1000 lux)でウイルスが不活化されることが判明し、感染拡大防止の一助となりうることが明らかとなた。

 この光触媒材料に光照射をすることで、1時間で2.5桁のウイルス量の減少(99.7%の減少)、2時間で検出限界以下である99.99%以上のウイルス量が減少した。また、暗所においても4時間で検出限界以下に減少させることを明らかにした。このことから、この光触媒材料を利用することで、新型コロナウイルスを不活化できることがわかった。

(詳細は、https://www.titech.ac.jp)