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MITとウィーン大学、ニューロンの活動を3Dムービーで表示

May, 22, 2014, Cambridge--マサチューセッツ工科大学(MIT)とウィーン大学の研究グループは、生きた動物の脳でニューロンの活動を明らかにするイメージングシステムを開発した。この技術はミリ秒のタイムスケールで脳全体の3Dムービーを生成することができる初めての技術であり、ニューロンネットワークがセンサ情報をどのように処理して振る舞いにつなげるかを見いだそうとしている科学者にとって役立つ。
 研究チームは、この新しいシステムを使ってカエノラブディティス・エレガンス(C.エレガンス)の全てのニューロンの活動、ゼブラフィッシュ幼虫の脳全体を同時に画像化し、以前と比較してより完璧な神経システム画像を得た。
 「脳のたった1つのニューロンの活動を見ても、その情報がどのように計算されるかは分からない。それには、アップストリームニューロンがしていることを知る必要がある。また所定のニューロンの活動が何を意味するかを理解するには、ダウンストリームニューロンがしていることを見ることができなければならない」とMITの生物工学助教授、Ed Boyden氏は説明している。「要するに、感覚からの情報がどのように行動に組み込まれるかを理解したいなら、脳全体を見る必要がある」。
 Boyden氏の研究チームは、ウィーン大学Alipasha Vaziri研究所、ウィーンの分子病理学研究所の研究者と共同で脳マッピング法を開発した。
 ニューロンは、活動電位と言われる電気的刺激を使って情報をエンコードする。電気刺激が発せられると、それがカルシウムイオンを刺激し個々の細胞に流れ込む。蛍光タンパク質がカルシウムと結びつくと蛍光を発するように設計することで、研究者はこのニューロンの電気発射を見ることができる。しかし、これまではこのニューロンの活動を大規模かつ3D、高速に撮像する方法がなかった。
 脳をレーザビームでスキャニングすることで神経活動の3D画像が得られるが、個々のポイントを個別にスキャンしていては画像の取得に時間がかかる。MITのチームは、同様の3Dイメージングの実現を考えていたが、わずか数ミリ秒で起こるニューロン発射を見ることができるようにそのプロセスを加速したいと考えていた。
 新しい方法は、広く普及している明視野イメージング技術をベースにしている。これは入ってくる光線の角度を計測することで3D画像を生成する。論文の著者の1人、MIT准教授、Ramesh Raskar氏が、このタイプの3Dイメージングの開発に精力的に取り組んだ。明視野イメージングとして働く顕微鏡は、予め複数のグループによって開発されていた。MITとオーストリアの研究グループは、その明視野顕微鏡を最適化し、初めて、それを神経活動のイメージングに適用した。
 この種の顕微鏡では、撮像するサンプルからの光がレンズアレイを透過する。サンプルの個々の点が400ほどの光の点を生成し、それらをコンピュータアルゴリズムを使って再結合し3D構造を再現する。
 研究チームは、この技術を使ってCエレガンスの神経活動を画像化した。Cエレガンスは、神経配線全体が知られている唯一の生命体。この1㎜の虫は、302のニューロンをもっており、研究チームは、その虫が自然の動きをする際の個々のニューロンを撮像した。また、ニオイなどの感覚刺激に対するニューロン反応を観察した。
(詳細は、mit.edu)