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光縮小デバイスで超微小物質の検出が可能

April, 3, 2020, San Diego--カリフォルニア大学サンディエゴ校とバークリー校のエンジニアは、光ベースの技術を開発した。これは、以前に可能だったよりも二桁小さな分子量で生体物質を検出できる。この進歩は、除外点(EPs)として知られる特異点を利用しながら、光を縮小するデバイスを作製することで可能になった。

研究成果は、Nature Physicsに発表された。この研究は、超高感度デバイスの開発につながる。人の血液中に病原体を素早く検出し、血液検査から、結果を得るまでに必要な時間を大幅に短縮できる。

「われわれの目標は光学デバイスの基本的制約を克服し、以前には不可能と考えられていた、また非常に難しかった新しい物理原理を発見することである」とローレンスバークリー国立研究所准教授、Boubacar Kantéはコメントしている。
 同氏は、「そのような特異点をそのような小さなスケールで実行できることに本当に感動した。結果は、基本的にも素晴らしく、実用的にも重要である」と話している。

光の波長は、ほとんどの生物学的関連物質よりも著しくサイズが大きい。光が、これらの小さな物質と強く相互作用するには、その波が縮小されなければならない。

研究グループは、2つのプラズモンナノアンテナアレイを各アレイと相互に重ね、プラズモン共鳴を作り出した。これが一定の周波数の光波を制御する。次に、研究グループは、ナノアンテナアレイを「結合」し、それらの波が結びつくようにし、最終的に2つの波が同じ周波数で共鳴した。最も重要な点は、同じレートで失われたエネルギー、除外点として知られる瞬間。これは、研究者がプラズモンにEPsを使用した初めてのケースである。

外的物質がEPと接触し、失われたエネルギーの同期レートを乱すとき、そのデバイスは一段と高感度にその物質を検出する。

「バイオセンサの感度を上げるために多くの方法が探求されてきたが、感度向上に結合プラズモンナノアンテナアレイのEPを利用するのは独自のアプローチである。それは、信号とターゲット濃度間の基本的関係を、単純な線形関係から平方根式に変える。これは、設計の最高感度へのカギである」と電気・コンピュータ工学教授、Yu-Hwa Loは説明している。

そのデバイスは、血中の抗免疫グロブリンG、感染と闘う人の血中で最も一般的な抗体を、プラズモンアレイを使った以前の報告にあるよりも267倍軽い分子量で検出した。

元のデバイスに追加プラズモンアレイを加えることで、EPで感度をさらに高めることができる、とKantéは話している。

(詳細は、https://ucsdnews.ucsd.edu)