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スカフォールドなしで組織と臓器を3Dプリント

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November, 28, 2019, Centennial--シカゴ、イリノイ大学(UIC)の研究者によると、培養組織や器官は、成功の度合いは様々だが、何年も前から研究室で作られている。その多くはスカフォールドアプローチを利用していた。細胞が生物分解性支持構造上に形成され、その構造が所望の臓器や組織の基本的アーキテクチャを提供するものとなる。
 しかしスカフォールドは問題になり得る。究極的には、それらは劣化して消えるべてきであるが、分解と臓器の成熟との一致が微妙であり、時には分解副産物が有毒になりうる。スカフォールドは、機能組織の形成にとって重要な、細胞と細胞との接続の発展を妨げる可能性がある。
 今回、研究チームは、幹細胞だけでできた「インク」を使いスカフォールドなしで生体組織を3Dプリントするプロセスを開発した。研究成果は、Materials Horizonsに発表された。
 「われわれの細胞だけをプリントするプラットフォームにより、古典的なスカフォールドのサポートなしで細胞を3Dプリントする。これには、プリンティングが行われる、一時的なヒドロゲルビードバスを使う」とイリノイ大学の研究チームリーダー、Eben Alsbergは説明している。
 そのマイクロスケールのヒドロゲルビーズにより3Dプリンタのノズルは、ビーズバスの中を動き、細胞を成長させることができる。そのノズルの動き、あるいはその細胞の放出に対する抵抗は最小限である。細胞がプリントされ、そのままで形状を保つので、ゲルビーズが細胞を支持する。
 細胞がヒドロゲルビーズマトリクスにプリントされると、UV光の露光によりビーズを架橋し、実質的にその場に固定する。したがってプリントされた細胞は、安定した構造内で相互接続し、成熟、成長する。細胞を浸す媒質は、架橋ゲルビーズを透過して簡単に流れ、必要に応じて取り換え可能である。新鮮な栄養素を供給したり、細胞の廃棄物を捨てるためである。ヒドロゲルビーズは、穏やかな動揺により除去可能であり、その劣化を制御できるので、後には完全なままの組織が残される。
 「ヒドロゲルビーズバスは固有の特性を持つ。これにより完全な構造で細胞だけのバイオインクのプリントができ、これらの細胞だけの構造を継続して一時的に安定化できる、つまり細胞と細胞の接続を形成できる。化学を使うことでわれわれは、ビーズがなくなる時を調整できる」とAlsbergは説明している。
 Alsbergのチームが使った細胞は幹細胞である。それは、幅広い他の細胞タイプに分化できるものである。チームは、その幹細胞を使ってヒドロゲルビーズバスの中で、軟骨の耳、𪘂歯サイズ「腿節」を3Dプリントした。プリントした細胞は、特殊なタンパク質により、安定した細胞間接続を形成することができた。
 「初めて、細胞だけの構築を複雑な形態でプリントできるようになった。これは、ヒドロゲルキャリア、従来のスカフォールドなしで、様々な細胞タイプで構成されたものであり、一日から数週間の間、安定化できる。このプラットフォーム戦略を使うことで、個々の細胞および細胞集団を組織し、アセンブルしてより大きな機能組織を形成できることを実証した。これらは、再生医療、薬剤スクリーニング、発生生物学の研究のモデルとして価値がある」とAlsbergは話している。

(詳細は、https://today.uic.edu/)