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OCTを眼科以外で使えるローコスト、ポータブルシステム

November, 25, 2019, Washington--デューク大学の研究チームは、関節など到達が難しい身体領域でOCTを利用する方法を開発した。その進歩により、この高解像度生体医療イメージング技術は新たな手術、医療応用で役立つようになる。
 OCTは、マイクロメートルサイズの構造を撮像するので、病気や損傷を示す可能性がある組織の微妙な変化を見るには最適である。OCTは今では、眼科診療では標準的であるが、身体の内部で利用できるほどにコンパクトな高品質OCTは難しかった。
 Optics Lettersに発表されたデューク大学の研究は、基本的に薄いレンズチューブの堅いボアスコープを使ってOCTに必要な赤外光を送達する方法を報告している。わずか4㎜径のボアスコープは、デバイスのビームデリバリ部分を非常にスリムにするが、イメージング性能を犠牲にすることはない。
 「近接鏡手術でOCTイメージガイダンスが必要なことは分かっていた。関節損傷の処置に内視鏡を使う、非常に侵襲性の少ない手順である。われわれが以前に開発したローコストOCTイメージングプラットフォームを利用して、それがこのアプリケーションの要件を満たすように適用した」と研究チームリーダー、Evan T. Jellyは、話している。

内視鏡を通したOCT
 Adam Waxと協力して、研究チームは以前、従来モデルのコストのほんのわずかでOCTシステムを開発した。関節の軟骨の健康を調べるために利用できるOCTシステムを実現するために、チームは内視鏡デリバリシステムを作製した。これはプロトタイプの堅いボアスコープを使って、組織からの画像を光ファイバ接続にリレーする。その機器の狭いフロントビューセクションにより、それは構造とキャビティに届く。これらは、患者をスキャンするデバイスの大きな部分ではアクセスできない箇所である。
 研究チームは、それを使って豚の膝軟骨の厚さを計測することで、そのOCT装置をテストした。豚の軟骨は、人の軟骨に似ているので、これは、そのデバイスが人でどのように機能を果たすかの暫定的な考えを提供した。同システムは、骨と軟骨の境界を正確に特定し、厚さ1.1㎜以下サンプルを提供した。
 さらなる開発で、そのデバイスにより、いずれ、臨床医は関節障害に侵襲性の少ない処置ができるようになる。とは言え、研究チームは、まず、もっと厚いサンプルを撮像できることを示さなければならない。人の軟骨は、豚の軟骨よりもわずかに厚いからである。チームは、手術中に使うために、もっと人間工学を改善したいと考えている。
 「OCTの新しいポータブル、ローコストバージョンを開発することにより、このイメージングアプローチの成功は、もはや眼科アプリケーションに限られないことを示している。工学的ノウハウにより、このOCTプラットフォームは、幅広い臨床ニーズに適用可能である」とJellyはコメントしている。