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最先端の生検技術ではレーザがメスに取って代わる

May, 23, 2019, Passadena--患者には、ガンなどを調べるための組織生検サンプルの分析は、たとえテストのために微小肉片を提供するとしても、比較的簡単なプロセスに見える。サンプルは研究室に送られ、患者は帰宅し、数日で医者がその結果を知らせてくれる。

実際には、組織サンプルを準備し、それを評価して病気の兆候を評価するには多くの準備が必要になる。

CaltechのLihong Wangのラボが開発している新技術の狙いは、プロセスを大幅に簡素にし、侵襲性を少なくすることである。染料を使う代わりに、その技術は、レーザ光パルスを使ってサンプルを撮像する。
 この新しいアプローチは、紫外局所化中赤外光音響顕微鏡(ULM-PAM)と言われ、サンプルに赤外光とUV光の両方を照射することで、組織片に見つかる微細構造の画像を生成する。
 撮像すべきサンプルは、まずUV光パルスで照射される。この光がサンプル内の分子を振動させる。サンプルに対して設置されたセンサが、その振動信号を取得し、それらをコンピュータに送り、処理する。

次のステップでは、サンプルは、赤外レーザ光で照射される。このパルスは、サンプルをわすがかに加熱するが、一様にではない。サンプル内のタンパク質やDNAのような、一部の物質は、レーザからのエネルギー吸収が多いので、他のものよりも熱くなる。

加熱パルスの直ぐ後に、サンプルは再びUVレーザ光で照射される。前と同様にUV光は、サンプル内部の分子を振動させ、その信号がコンピュータに送られる。加熱前後のサンプルからの信号を比較することで、コンピュータは、画像を生成し、画像では、熱シグネチャーによって構造が特定できる。ガン細胞は、健康な細胞と比べると、タンパク質とDNA表現が異なるので、それらはこの方法で区別できる。

2年間、ULM-PAMの開発を主導してきた医療工学ポスドク研究者、Junhui Shiは、これまでに直面した大きな問題について次のように話している。
「UV光と赤外光は、異なる特徴を持つので、われわれは両者を集光する特殊なミラーガラスを見つけなければならなかった。また、両方を見ることができるカメラは存在しないので、それらが正しく集光されているかどうかを見る方法を開発しなければならなかった」。
 WangとShiは、ULM-PAMが機能することを示したが、その技術は概念実証段階にとどまっている。臨床設定でそれが役立つようになるのは、まだ先の話である。とは言え、レーザのアップグレードにより、組織サンプルのスキャンは迅速になる、と両氏は話している。

長期目標は、その技術を進化させて、患者の体内にある組織に利用できるようなものにすることである。
「これを体内入れ、これを使って手術中にガン細胞をイメージングできるようにしたい」とWangは話している。
研究成果は、Nature Photonicsに発表された。
(詳細は、https://www.caltech.edu/)