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RIP研究チーム、骨と組織置換用に3Dプリントプラットフォーム作製

March, 22, 2019, Rochester--ロチェスタ工科大学(RIT)研究チームは、新しい3Dプリンティング技術で、身体がより効果的に自己再生できるヒト組織再生を助けるプラットフォームを造る方法を開発した。この研究は、将来、人の臓器提供ニーズを減らす、と研究チームは考えている。
 RIT工学教授、Iris Rivero氏は、ポリマと生体材料の相性の良い組合せが「スカフォールド」、身体が自己組織再生開始を示唆する3Dプリント構造の作製に利用できることを確認した。この研究により、「スマートな」3Dプリントされた骨、皮膚および軟骨組織置き換えの可能性に一歩近づいた。
「身体の臓器は、損傷の大きさ、あるいは障害が起きた免疫により、自己再生できないことが時々ある。また、それらの置き換えに役立てる外部代替を見つけなければならないことがある。今日、われわれが目にしているものは、身体の自己再生支援に必要なシグナルを始動させるカスタマイズプラットフォームを再生できる技術としてのバイオプリンティングである」とRivero氏は説明する。
 バイオプリンティングは、積層造形(AM)原理を使って3Dパーツを層ごとに構築していく。AM製造は進歩しているが、人の身体に適合する特性の複合材料作製に課題は残る。また、同時に、新しい組織が形成されると同じ比率で変質する能力が必要になる。
 例えば、組織再生骨では、研究者は、セラミック粒子をバイオポリマに加えて、骨の構造や強度が似るようにする。これらの生体材料の固有の組み合わせは、スカフォールドプラットフォームのために考案され、その処理と混合を制御して造られる。
「その考えは、われわれが組織支持構造を設計し、次に体の組織分解によく似た固有の生体複合材料に基づいて人工環境を作る、と言うものである」とRivero氏は説明している。「皮膚再生、創傷治癒では、皮膚細胞増殖を促進するために特殊スカフォールド構造を決定する。例えば、様々な形状や気孔率がスマートな創傷治癒に役立つ。別のアプリケーションでは、2つの骨を結合する際に、特注スカフォールド、構造を挿入して骨の再生を支援することができる。骨の再生をシミュレートするためにスカフォールドは、例えば骨、骨芽細胞を作る細胞を含めることが可能である。また,組織形成速度を早めることができる」。

研究チームの博士課程学生、Srikanthan Ramesh氏は、「われわれが使っている材料は、体内のタンパク質であるコラーゲンと類似性がある。われわれは、そのタンパク質の加水分解された形、ジェラチンを使う。それは生体適合的であり、拒絶されない。しかしそれは、われわれが対処しようとしている課題、いかにして身体が拒絶しない何かを作るかという課題の一部でもある」と付け加えている。
これらの課題に応えるために、研究チームは、スカフォールドで細胞の生存性を達成する様々な方法の評価を継続して行う。また、産業、バイオメディカルエンジニア、医師、コンピュータサイエンティスト、生物学者を含む学際的な研究の一環として、バイオプリンティングソリューションへ向けて協力していく。

(詳細は、https://cdn.rit.edu)