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光を用いて脳の多変量計算論理を理解

March, 14, 2019, 仙台--東北大学大学院生命科学研究科の劉越人大学院生(現、群馬大学生体調節研究所博士研究員)、八尾寛名誉教授らの研究グループは、同大学院医学系研究科の大城朝一助教、虫明元教授らとの共同研究で、ラットがヒゲで触ったものの形や大きさを瞬時かつ鋭敏に捉える脳のメカニズムを解明した。
 この研究は、世界に先駆けて、脳への触覚入力の時空間パターンを光の点滅で作り出したもので、脳の多変量計算論理の解明に貢献することが期待される。

発表の要点
・ラットのヒゲ触覚を任意の時空間パターンで作りだす光遺伝学(オプトジェネティクス)システムを開発した(世界初)
・大脳皮質浅層に存在する神経細胞の入力応答特性を多変量統計学の手法を用いて解析した
・水平に並んだヒゲへの入力情報に瞬時に反応するとともに、その刺激入力に対する空間的コントラストを積極的に強調している計算論理を発見した
・複雑な時空間パターンを認識する触覚の仕組みを定量的に解明した

研究成果は、英国ネイチャー出版グループのオンライン学術誌「Scientific Reports」に3月8日付で掲載された。
(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp)