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蛍光を使って病気を引き起こすタンパク質形態を特定する新方法

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February, 20, 2019, University Park--ペンシルベニア州立大学の研究チームが開発した新方法は、蛍光を使って病気を引き起こす可能性のあるタンパク質の形態を検出する。
 タンパク質は、ストレスや突然変異で分解する。ペンシルベニア州立大学、ワシントン大学の研究チームは、蛍光化合物を再設計し、タンパク質が生きた細胞の中で異常に折り畳まれ凝集するとき、2つの異なるタンパク質を同時に明らかにする方法を開発した。これによりアルツハイマ病やパーキンソン病を含むいくつかの神経変性疾患で重要な役割を果たすと考えられる形態を際立たせることができる。
 2件の論文が、ChemBioChemとJournal of the American Chemical Societyに発表された。

「正しく機能するためには、タンパク質は非常に正確な構造に折り畳まれるが、環境ストレス、あるいは病因性突然変異によってタンパク質は異常に折り畳まれ凝集する」と研究チームのリーダー、Penn State化学、生体化学、分子生物学准教授、Xin Zhang氏は説明している。「タンパク質凝集は多段プロセスである。以前のイメージング技術では検出できなかった中間形態が、アルツハイマ病、パーキンソン病、タイプ2糖尿病、嚢胞性線維症を含む多くの病気に関係している。われわれは、これまで検出できなかった中間形態、可溶オリゴマを見るために、アグリゲーションタグ法-AggTagを開発した。また生きた細胞の最終的な凝集も見ることができる」。

タンパク質凝集を特定する以前の技術は、常に光を発する蛍光化合物を使用しており、適切に折り畳まれたタンパク質を中間形態から区別できなかった。両方が低レベルの拡散蛍光を引き起こすからである。AggTag法は、「ターンオン蛍光」を利用するので、異常折り畳みが起き始めたときにのみ化合物が光を発する。
AggTag法の主任開発者、Penn Stateアシスタント研究教授、Yu Liu氏は、「蛍光化合物が多くの移動スペースを持つとき、それは自由に回転し、消える。正しく折り畳まれたタンパク質が存在するときである。しかしタンパク質が異常に折り畳まれ始め凝集すると、化合物の動きは制限され、それは光を発し始める。拡散蛍光は、中間オリゴマが存在することを示しており、もっと明るい蛍光の小さな点は、より高密度の可溶凝集が存在することを示している」と説明している。

形態間のこのような区別を可能にするために研究チームは、緑色蛍光タンパク質(GFP)の発色コアを再設計した。GFPは、ある光波長に晒されると蛍光を発するので、イメージング研究によく使われている。再設計された化合物がタグに結合し,次にイメージングの標的となるタンパク質に溶け込む。
 研究チームは2種類の市販入手可能なタグ、Halo-tag と SNAP-tagを使用した。これらはAggTagとともに用いると、それぞれ赤または緑の蛍光を誘導する。Halo-tag と SNAP-tagは相互作用しないので、それらを同時に用いて2つの異なるタンパク質を二色でイメージングできる。チームは、緑と赤が反転するようにタグを再設計し、将来のイメージングのオプションを研究者に提供した。
「われわれは、色の変化を利用してオリゴマの不溶性凝集体への移行を示すことができるように、この方法の継続的開発を計画している。この方法は、タンパク質凝集体の研究に新たなツールボックスを提供するものである。これは、研究者の間で現在、精力的に研究されているテーマである。これによりわれわれは、タンパク質凝集体全プロセス、神経変性疾患や他の病気の進行におけるこれらの形態の各々の役割について理解向上が進むと期待している」とZhangはコメントしている。