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UCSD、ガンの広がり能力を検出・計測するセンサを開発

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January, 10, 2019, San Diego--腫瘍が最初に発生した部位から浸潤性癌細胞が身体の離れた箇所へ広がることは転移としてい知られている。転移は、ガン患者死亡の主因である。UCSD医学部の研究チームは、iScienceに、単一ガン細胞の転移可能性を検出、計測できるエンジニアリングセンサを発表した。
 「転移が起こってから、それを検出する方法はたくさんあるが、将来転移する腫瘍細胞の可能性を見る、つまり計測するものは何もない。Network Medicineセンタで、われわれは、1つや2つではなく、多数の腫瘍転移を促進するシグナリングプログラムをモニタするために設計されたバイオセンサを操作することでこの難題に取り組んだ。そのようなシグナルを検出すると、腫瘍細胞の転移可能性が高く、したがって致死性になる場合にのみ蛍光シグナルが点灯する」とPradipta Ghosh教授は説明している。
 ガン細胞は、多くのシグナリング経路の1つをハイジャックすることで正常細胞の伝達を変え、転移が起こるようにする。腫瘍細胞は、環境つまりガン治療に適応するので、どの経路が使われるかを予測することは難しい。正常組織 vs.全てのガン組織のタンパク質とタンパク質の変異を比較することで、研究チームは特定タンパク質と固形腫瘍細胞にのみ存在するチロシンリン酸化CCDC88A (GIV/Girdin)を同定した。比較分析は、この変異が転移中に腫瘍細胞によって普通にハイジャックされる多数のシグナリング経路の集合点を表わすことを示している。
 研究チームは、新設計のバイオセンサと高機能顕微鏡を使って、GIV上の変異をモニタし、蛍光信号が、腫瘍細胞の転移傾向を反映していることを見いだした。チームは次に、単一ガン細胞の転移能を計測し、この活動により進化する腫瘍生物学の未知の領域を説明することができた。その成果は、光共鳴エネルギー移動/転移(FRET)バイオセンサの開発だった。
 Ghoshによると、非常にアグレッシブで適応的であるが、転移するガン細胞は極めて少なく、その転移能は現れては直ぐに消える。転移を予測することができれば、このデータを使って個別患者の個人化処置ができる。例えば、その患者のガンの転移が予測されていない、またはその病気が外科的に切除できる患者は、極めて毒性の強い治療を免れるかも知れない。ガンがアグレッシブに広がることが予測される患者は、その転移細胞をターゲットにした精密医療で処置される可能性がある。
 「われわれは単一細胞レベルで情報を入手できるだけでなく、単一細胞で起こるプロセスの柔軟性も見ることができる。この種のイメージングを使って、個別細胞がどのように反応しているかを調べる処置を提供することができる」とGhoshは話している。
 そのセンサは、さらに改良を必要としているが、ガン細胞生物学に向けて変革的進歩の可能性がある。
(詳細は、https://ucsdnews.ucsd.edu)