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3Dプリンティングで、脳や肺を複製するスーパーソフト構造を作製

January, 30, 2018, London--インペリアルカレッジロンドン(Imperial College London)の研究チームは、低温学と3Dプリンティング技術を使って3D構造を造る新しい方法を開発した。
 これは、以前の研究に立脚するものだが、脳や肺などの器官の機械的特性を模倣できるだけの柔らかさをがある構造を作製する初めての方法である。技術は、キングスカレッジロンドン(Kings College London)と共同開発したもので、Scientific Reportsに発表された。
 身体組織の構造と柔らかさにマッチさせられるとは、これらの組織が医療処置に使用可能であることを意味する。損傷組織の再生を促進する組織再生のためのテンプレートとして機能するスカフォールドを形成することができる。
 多孔質スカフォールドを細胞で「シード処理」することで損傷組織を再生し、スカフォールドの成長を促すことにより、通常の組織置き換え移植手術に影響を与える問題、身体の拒否反応などの問題なしに身体を直すことができる。
 スカフォールドの利用は、ますます一般的になり、そのアプリケーションは多様になっているが、この新技術は特別である。その技術が、人体で最も柔らかい組織のようなスーパーソフトスカフォールドを造り、この再生促進に役立つと言う点で特別である。特に、脳や脊髄に関わる細胞、神経細胞のシーディング処理には将来的な可能性がある。
 研究チームは、3Dプリントした構造をテストした。テストでは、皮膚繊維芽細胞でシーディング処理した。皮膚繊維芽細胞は、皮膚で接続組織を生成する。研究チームは、接続と生存の成功を確認した。
 この成功は、以前の研究と並んで、幹細胞の成長関連でさらなる可能性につながることになる。幹細胞は、多様な細胞タイプに変わることができるので、医学的に刺激的であると考えられている。
 さらに、身体の一部、器官全体の複製にさえこの技術は使える。研究者にとっては、これらは極めて有用である。研究者は、生きた被検者によらないで実験を行えるからである。医療トレーニングに役立てるためにさえ使える、また手術実習で動物を使う必要がなくなる。
 「現状、数センチメートルのサイズの構造を造ることができるが、理想的にはこの技術を使って器官全体の複製を造りたい」とインペリアルの研究チームの1人、Zhengchu Tanは話している。
 この技術は固体二酸化炭素(ドライアイス)を使い、ハイドロゲルインクが3Dプリンターから押し出されると、それを急冷する。解かされた後、形成されたゲルは体組織同様に柔らかだが、それ自身の重みで崩れることはない。この点は、過去の同様の技術では問題になっていた。
「低温学はこの技術の新しい側面である。ここでは液体と固体の相転移を使って、重合を引き起こし、その形状を維持できるスーパーソフト物体を造る。このことは、その技術が幅広い可能性を持つことを意味する」と、インペリアのバイオエンジニアリング学部の研究者の一人、Dr Antonio Elia Forteは話している。