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抗生物質を光でON/OFFスイッチング

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March, 27, 2014, Karlsruhe/Kiev--KITとキエフ大学の研究チームが、光で生物活性をコントロールできる抗生物質を開発した。
しっかりしたジアリールエテン光スイッチのおかげでペプチド模倣薬の抗菌効果を空間的、時間的に特殊な仕方で適用できる。これにより、副作用を抑制しながら局所感染症の治療が可能となる新たな可能性が開ける。
光でスイッチできる分子は、適切な波長の光にさらされるとその構造と特性を変える。知られている光スイッチの中にジアリールエテンがある。可逆的光異性化、つまり可逆的光誘起による分子内部の再配置で、開状態が閉状態に変わる。そのような光でスイッチできる分子は、分子エレクトロニクスや多くの他の領域に適用される。活動を光で制御するために光スイッチを生体分子に挿入することから、特に興味深い機会が得られる。いわゆるペプチド模倣薬に関心が集中している。プチド模倣薬は、主要な構造要素がペプチド、つまり小さなタンパク質を模倣する合成物。
カールスルーエ工科大学(KIT)の生物学インタフェース2研究所(IBG2)ディレクタ、有機化学研究所チェア、Anne S. Ulrich教授の研究グループは、可逆的に光異性化できるジアリールエテンスカフォールドをベースにして、光スイッチできるペプチド模倣薬を作った。研究グループは、この構成要素をアミノ酸類似体に変え、それを環状ペプチド抗生物質Gramicidin Sに直接組み込んだ。結果として得られたペプチド模倣薬の生物活性はUVや可視光の助けを借りて空間的、時間的にコントロールできる。これを実証するために研究グループは、細菌膜を不活性化した抗生物質で処理し、それをマスクを介して光に当てた。その結果、光でスイッチできるジアリールエテンは閉状態から開状態に変換された。構造的な変更が誘起されたので、分子全体が遙かに高い抗菌効果を持つことになった。「将来的には、そのような光で活性化できる抗生物質は局所感染症に対してスマート治療薬として用いられるようになるだろう」とUlrich教授は説明している。「スイッチングによって、通常の副作用も最小化できる」。この考えをベースにすると、新しいペプチドベースの抗癌剤も考えられる。新開発の光で活性化する構成要素は他のペプチド配列にも適用可能だからである。
(詳細は、 www.kit.edu)