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ブルーLEDにより放射性同位元素追跡を促進

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November, 24, 2017, Princeton--放射線は不当な非難を受けているかもしれないが、医学研究では極めて重要な役割を果たしている。プリンストン大学化学教授、David MacMillanが開発した放射性分子を作る画期的な新技術により、患者は以前よりもかなり早く新薬が利用できる可能性がある。
 「平均的な薬剤は、市場に出るまでに12~14年かかる。したがって、その14年、あるいは12年を圧縮するためにできることのすべてが、社会にとって利益になる、人々が、つまり社会が非常に早く薬剤を入手できるからである」と同教授はコメントしている。
 すべての見込みのある新薬は試験をして、それが効果を及ぼす体の一部に影響を与えることを確認しなければならない。
 血流に溶け込む化学物質のルートを特定することは大変困難な課題だが、これは個々の原子と放射性代替物との交換することにより数年前に放射線科学者が解決した。一旦これができると、「それらは放射性である、つまり非常にうまく跡をたどれることを除けば、薬剤の特性、分子の特性はまったく同じである」とMacMillanは話している。
 とは言え、新たな問題が生ずる。
「これらの放射性原子を薬剤に入れることは容易ではない。これまで、わずかな放射性原子を持つ微量の物質を得るのに長い、時には1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月のシーケンスを展開してきた」と同氏は説明している。
 しかし研究チームは、もっとよい方法を見出した。青色LEDと光に反応する触媒、光触媒を使うことで作業を進行させる方法である。研究成果は、Science誌に掲載されている。
 「きわめて奇抜なアイデアであったが、有効だった。光を照射し、光触媒があると、これらの光触媒が実際に非放射性原子を除去し、続いて放射性原子を導入するのではないか、という考えである」。
 MacMillanの技術は、「重水」を利用する。これはH2OのHを3重水素(トリチウム)で置き換える。これは原子に余分な2つの中性子を持つ水素の放射性バージョンである。
「薬剤を放射性水に入れて、触媒と共にそれに光を照射すると、触媒が放射性でない原子を除去、この場合は水素を除去し、それをトリチウムに置き換える」。
 突然、これらの原子ラベルの一つをつけるのにかかる時間は数カ月ではなく数時間になった。その技術は、化合物によく使われる多くの種類で有効である。研究チームはすでに、市販の18の薬剤、Merck薬剤発見パイプラインの候補でそれをテストした。
 放射性タグを必要としない化合物には、同じワンステッププロセスが、余分な中性子が1個しかない水素のバージョン、重水素で交換することができる。これら「安定ラベル」(重水素)と「放射性ラベル」(3重水素)には、学問的にも薬剤発見でも、無限のアプリケーションがある。
 合成および分析化学者、Jennifer Lafontaineによると、この新アプローチの簡潔性には別の意味がある。
 以前のプロセスは、非常にリソース消費型であったので、重水素または3重水素ラベル分子は、「薬剤発見プロセスで非常に進んだ」化学物質のためにしか作られなかった。「この方法は、したがって、薬剤発見において同位体標識の早期利用、拡大利用にドアを開くものであり、より深いレベルで、また広範なアプリケーションで薬剤候補を研究するわれわれの能力を大幅に強化する」と同氏はコメントしている。
 この新方法は、MaqcMillanによると、プリンストンで開発され、また別の新分野に適用された光触媒の新興分野を活用している。