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ノートルダム大学、光を使って蚊を操作

June, 23, 2017, Notre Dame--ノートルダム大学(University of Notre Dame)の研究チームは、10分間光を照射するだけで夜ハマダラ蚊に刺されることを抑制し、蚊の飛翔行動を操作できることを発見した。ハマダラ蚊は、アフリカでは、マラリア感染の媒介生物。
 種の示す行動、採食、産卵、飛翔などは1日の特定の時間に行われ、夜間に蚊が刺す傾向は強い。WHOの報告によると、世界で推定2億1200万の人々がマラリアに罹り、429000人、主に子供が死亡している。
 殺虫処理済蚊帳や壁は、蚊に刺されることの予防、マラリア減少に役立つが、研究者によると、蚊は予防条件に適合し、夕方や早朝、蚊帳の中にいない時間、室内にいないときに人々は蚊の餌食になる。
 「ハマダラ蚊は、殺虫剤への耐性ができ、また採食時間を変えることで、こうした現在の方法に適応している。したがって、これまでの有効な方法は効果が低減する」とノートルダム大学の生物学科学部の生物学准教授、Giles Duffieldは指摘する。同氏は、哺乳類や蚊の日周期と光生物学の分子生物学専攻。
 研究では、蚊を多数のコントロールバッチとテストバッチに分けることで活発な寄生探査期間中に、蚊の採食行動をテストした。管理された蚊は暗闇にとどめ、テストバッチは10分間白色光パルスに晒された。蚊が刺す傾向のテストは、パルス照射後直ちに、また夜間2時間ごとに行った。その間、感染していない蚊が刺すことができるように腕を網目の中に保持し、そのままにした。結果は、大きな抑制を示していた。別の実験では、蚊に2時間おきに光パルスを照射し、マルチパルスアプローチを用いることで、蚊が刺す行動を夜間12時間の大部分で抑制できることがわかった。
 Giles Duffield氏は、「短い光処理で、蚊が刺す傾向に対して効果が持続することは素晴らしいことだ。その抑制はパルス照射後4時間持続する。これは、病気の感染を減らすために使用されている確立された制御法を補完する効果的なツールになりうる」と話している。
 同氏の見方では、光パルスは恐らく、持続的露光よりも効果的である。蚊は、周期的な光照射への適応性が低いからである。研究チームは、赤色など、違う波長のテストも行っている。