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UCLA研究チーム、スマートフォンを使って抗菌薬耐性に対抗

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December, 19, 2016, Los Angeles--カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームは、スマートフォンを使って抗菌薬耐性用の自動診断試験リーダーを開発した。同技術により、リソースが限られているエリアで抗菌薬感受性の定期試験ができるようになる。
 抗菌薬耐性バクテリアは、世界の公衆衛生に深刻な脅威となっている。特に、肺炎、下痢、敗血症など死亡率の高い病気に関わる細菌性病原体ではますます一般的になっている。
 こうした細菌の拡散と闘う上で課題の一部は、抗菌薬感性試験を行う能力に、地域的に限界があることである。このような地域では、ラボや試験装置、さらにそのような試験を解釈できる訓練を受けた診断技術者にアクセスできない。
 UCLAの研究チームは、自動抗菌薬感性試験ができる簡素で安価なスマートフォン・アタッチメントを開発した。
 UCLAのデバイスはスマートフォンに接続し、テスト用に96ウエルまで搭載できるプレートを持っている。LEDsアレイがサンプルを照射し、スマートフォンのカメラを使って各ウエルの光透過率のわずかな変化を感知する。ウエルには、抗生物質パネルから選択した異なる用量が含まれている。画像はサーバに送られて自動的に抗菌薬感性試験が行われ、1分程度で結果がスマートフォンに返される。
 研究チームは、そのデバイスをUCLAの臨床設定で試験した。肺炎桿菌をターゲットにした17種の抗生物質で準備した特殊プレートを使用した。肺炎桿菌は、高度耐性抗菌プロファイルを含む細菌。臨床試験中、患者からの78サンプルを使用した。結果は、モバイルフォーンベースの読み取りは、FDA定義基準ラボ試験と一致し、検出精度は98.2%であることを示している。
 細菌の成長を阻む抗生物質の最低濃度を薬剤耐性の追跡に使用している。基準は、(抗生物質に感度がある、もしくは耐性がある)、医師が治療法の決定の指針となるように、個々の細菌/薬剤の組合せに割り当てられている。患者に感染した細菌は治療の影響を受けるが、耐性菌はその薬剤に使用される通常量の抗生物質濃度で抑制されないことを結果が示している。
「このモバイルリーダーにより、抗菌感性試験実施に熟練した診断医が不要になり、定期試験のコスト障壁が下がり、世界的に細菌耐性の追跡に役立つ」と病理学准教授、Ozcan; Omai Garnerはコメントしている。
 さらにバイオエンジニアリング教授Dino Di Carloは、「この技術の付加的利点は、現状(24時間程度)よりも早い段階で、薬剤の存在する中での細菌の成長をテストできることである。これは医師にとって結果の応答所要時間のさらなる短縮となり、人命救助に役立つ」と話している。