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ルール大学ボーフムの研究チーム、分子スイッチを詳細に研究

December, 15, 2016, Bochum--Ruhr-Universität Bochum (RUB)の研究チームは、分子スイッチが関係する見る、嗅ぐ、味わう、血圧の調整など、これらのタンパク質がスイッチを切られるメカニズムを分析した。赤外分光光度計(FTIR)とコンピュータシミュレーションの助けを借りて、研究チームはサブアトミックレベルでそのプロセスを説明した。
 タンパク質と結合したエネルギー分子GTPは、多くのタンパク質スイッチを切るために不可欠である。酵素がGTPからリン酸基を開裂すると、タンパク質スイッチが切られる。このGTP加水分解は数秒内に起こり、特異アミノ酸、アルギニンフィンガーによって活性化される。そのプロセスが機能しなくなると、患者は、コレラのような病気にかかるかもしれない。研究チームは、生物学、理論物理学、実験物理学の分野の方法を組み合わせて用いることで、アルギニンフィンガーがどのように機能するかを詳細に説明することに初めて成功した。
RUB生物物理学部で確立された方法により研究チームは、酵素過程をその自然状態で時間的空間的に高い解像度でモニタすることができるようになっている。問題の方法は分光学の特殊タイプ、時間分解フーリエ変換赤外分光法(FTIR)である。しかし計測データからは、プロセスが起こっている酵素の正確な場所についての情報が全く得られない。研究チームは、構造モデルの量子力学シミュレーションを使ってこの情報を抽出することができる。「理論と実験を組み合わせることでサブアトミック分解能の顕微鏡を獲得した」とKlaus Gerwert教授は説明している。
このアプローチを用いて研究チームは、GTP加水分解がどのように加速されるかを詳細に確認した。素早いスイッチオフはアルギニンフィンガーの位置変更となり、あたかも指をパチンと鳴らすかのようである。
 この成果は大きな意味を持つ。分子スイッチとしてのGTP加水分解の酵素過程は頻繁に起こるからである。身体の様々なスイッチプロセスのメカニズムは、細部が違うだけである。GTP加水分解は、例えば、ラスタンパク質のスイッチでもある。その欠陥は、腫瘍では制御不能な細胞の成長に帰着する。「様々なスイッチプロセスについてのわれわれの分析結果を相互参照することで、われわれは継続的にGTP加水分解の細部を新たに明るみに出すことになる」とCarsten Köttingはコメントしている。
 研究チームは、分光学を使ってGTP分子に結合したアルギニンフィンガーの状態を高精度、つまり原子の直径の1/100で可視化した。アルギニンフィンガーのスナップは、結合パートナーの配置と電化分布に大きな影響を与える。「われわれの長期的な目的は、ガンや深刻な遺伝病治療のための薬の開発にわれわれの基礎研究を役立てることである」とチームのメンバー、Daniel Mannは結論付けている。