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眼球視細胞のディスク・シェディングプロセスをイメージング

November, 8, 2016, Washington--捕らえにくい眼の生体サイクル、視細胞先端の日々の廃棄と再生が人の生体眼細胞で初めて画像化された。
 光受容体は、視覚が始まる感光性細胞。眼の内部構造のこのような瞥見は、加齢による黄斑変性や網膜色素変性など光受容体に影響を与える大きな目の病気の理解向上、防止、処置に役立つ。
 廃棄と再生という生理学的プロセス、いわゆる「ディス・クシェディング」と「ディスク・リニューアル」は、光受容体の健康を保つための基本。研究チームが開発した新しいイメージング法は、個々の視細胞レベルで廃棄を検出し、視覚と目の健康をさらに深く研究できるようにする。
 視細胞は円錐または円柱構造で、光をとらえて電気的応答に変換する。光は、それ自体が有害である。蓄積するままにしておくと細胞を殺すことになる光酸化合成化合物につながるからである。健康を維持するためには細胞は、毒性化合物を含む膜を廃棄し、失われた膜を再生しなければならない。細胞が日々のこの動的プロセスを経験する際に一定の長さが維持されなければならない点に難しさが存在する。アセンブリプロセスで追加する再生ビットが多すぎてはならない、細胞が大きくなりすぎるからだ。また、少なすぎると、細胞が正しく機能しない。
 論文の筆頭著者、インディアナ大学バイオメディカルエンジニア、Omer P. Kocaogluは、「廃棄は再生によって相殺されなければならない」と言う。「どんな段階でも機能不全あるいは日周リズムの消失など、協調の消失は視細胞および網膜色素上皮(RPE)栄養失調症に至り、最終的には失明する」と指摘している。RPEは薄いが、極めて重要な細胞層であり、視細胞に栄養を与え解毒する。
 この研究の決め手は、この一時的な事象の光学指標の発見である。これは、研究チームの新しいイメージング法で計測して発見した。このイメージング法は、2つのイメージング技術を統合している。適応光学、これは大気乱流によって生ずる収差を補正するために地上の望遠鏡で初めて用いられた技術。それに、断層画像を撮るOCT。この2つの方法を統合することで精巧な光学的分解能が得られ、網膜の個々の細胞が3Dで捉えることができるようになった。
 研究チームは、それをさらに改善して、これらの細胞を時間経過とともに追跡しモニタできるように、つまり4Dにすることを考えていた。これには高度な後処理アルゴリズムが必要となり、チームはそれを開発した。研究チームは、視覚を検査している3件の健康な患者で錐体視細胞のシェディング(廃棄)動力学の空間的、時間的特徴の定量分析によって観察を評価した。
 論文は、Biomedical Optics Express(OSA)に発表されている。
(詳細は、www.osa.org)