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コインサイズOCTスキャナで失明を早期診断

June, 14, 2016, Potsdam--ヨーロッパの研究グループが画期的な、コンパクト、コスト効果が高い網膜スキャナの開発に取り組んでいる。これは、世界的に失明の主因となっている網膜疾患の早期診断で重要な役割を果たすと見られている。Horizon 2020から400万ユーロの助成を受けたOCTChipプロジェクトは、網膜疾患診断に大変革を起こし、数100万の失明を阻止することになると期待されている。
 糖尿病性網膜症は失明の主因であり、症例は世界に2億件、ヨーロッパには6000万件ある。老齢人口、高い平均余命、糖尿病レベルの増加とともに、回避可能な失明の件数は増加している。
 網膜は、厚さ0.25㎜、10層以上で構成されており、OCT以外の技術では目の背後にアクセスすることは非常に難しい。OCTは、目に関連する病気では確立された診断法となっている。
 しかし、ウィーン医科大学(Medical Univeristy of Vienna)のOCTChipプロジェクト長、医療物理学教授、Wolfgang Drexlerは、「最先端のOCT技術は、それ自身に限界がある。大きくて、デスクトップ程度のサイズで、極めて高価であり、1台あたり10万ユーロ程度となる。それは、異常性を発見できるが、現状ではコンパクトで経済的なバージョン、院外でハンドヘルドモードで個人的に使用できるものは存在しない」と現状の問題点を指摘している。
 「われわれのOCTChipプロジェクトの核心コンポーネントは、1セントコインのサイズを目標にしている。これによりコストも下がり、メンテナンスフリーになる。したがって、糖尿病性網膜症や緑内障のような網膜疾患、その他の網膜疾患は、安価でコンパクトなPOCバージョンのOCTによるスクリーニングで診断できるようになる」。
 OCTChipの長期的潜在能力は存在する。ハンドヘルド、ワイヤレスでロバスト、ブルートゥースで動作し、携帯電話やタブレットで使用でき、遠く離れた第3世界のヘルスケア向上も可能になる。微小化されたイメージング技術として、将来的には胃腸診断用のバッテリ動作カプセルとしても利用可能になる。
 Drexler教授は、将来的には自己診断用にスーパーマーケットで入手可能になると見ている。
 OCTChipチームは、2017年末までに最初のプロトタイプの調整を終え、2020年ごろの大量商品化を見込んでいる