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光バイオセンサ集積マイクロフルイドチップでグルコースレベルを検出

May, 6, 2016, Washington--インシュリン欠乏と高血糖は、よく知られた糖尿病の発端であり、いずれも血糖濃度に反映されている。現在、研究者たちがグルコース濃度を迅速に計測できる超高感度ラブオンナチップ(lab-on-a-chip)デバイスの実現に取り組んでいる。目的は、糖尿病の早期診断と予防のためのデバイス開発である。
 中国の香港理工大学と浙江大学の研究チームは、グルコースレベルを計測するポータブル、高性能、ローコストデバイスを実現するために、マイクロフルイドチップに光ファイバグルコースセンサを組み込んだと報告している。
 微小流体技術が魅力的な理由は、センサを機能部品に統合した微小プラットフォーム、マイクロフルイドミキサができることである。これは、高速、高信頼な結果を得るためのlab-on-a-chip分析システムとなる。
 電気化学グルコースバイオセンサは微小流体チャネルに組み込んで取り扱いやすいローコスト可搬微小流体チップとなるが、電気化学センサに電気活性干渉が現れることがよくある。しかし光ファイバセンサは、電磁干渉の影響を受けないので、この問題は解決される。
 新しい光ファイババイオセンサと微小流体チップを統合することで、研究チームは、グルコースレベルを超高感度検出できる、干渉のない光流体デバイスを実現した。
 その方法について電気工学部准教授、Dr. A. Ping Zhangは、「クラッド径80µmの小径光ファイバに390µm周期の長周期(LPG)光ファイバグレーティング作製」する。「そのような光デバイスは、共鳴散乱プロセスによる強い同一方向モード結合を引き起こす。結果的に、光ファイバのクラッドモードのエバネセント場による周囲媒体屈折率(RI)変化に中心波長が強く影響される」と説明している。
 光ファイバRIセンサをグルコースセンサにするために研究チームは、溶液のグルコースに反応するセンシング材料としてグルコース酸化酵素を選んだ。「センシング膜をサポートし、RI変化を拡大するために、ポリエチレンミニン(PEI)とポリアクリル酸(PAA)のpH反応多層膜をLPGセンサの側面に堆積し、センシング膜を固定する」とZhangは説明している。
PEI/PAA多層膜は、「グルコース酸化酵素触媒でグルコースの酸化を監視し、膨張・収縮反応する」。
 実験結果により、新しい光ファイバセンサは、それ自体が非常に感度が高く、グルコース酸化酵素濃度を1nMまで検出できる」と同氏は説明している。しかし、微小流体チップに集積後はセンサの性能は、検出範囲と応答時間の点で著しく改善された」。
 さらに、実験中に生体分子活動の重大な損失は観察されなかった。このことは、層ごとの自己形成技術により、センシング膜内でグルコース酸化酵素のしっかりした静電吸着が得られていることを示している」。
 この成果は「糖尿病の早期診断と予防に向けた光微小流体デバイスの開発が大きく前進したことを示している」。
 アプリケーションでは、微小流体デバイスにより溶液中のグルコース検出が可能になる。必要になるのは、一滴の汗。
 究極の目標は、多機能「lab-on-a-chip」デバイスの開発。フォトニクス、マイクロフルイディクス、機能材料を小さなチップに集積することによって実現する。「そのような技術は、生体医療診断、環境モニタリングの広範なR&Dを可能にし、薬物発見にも役立つ」と同氏はコメントしている。