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慢性的痛みの処置に光遺伝学が有望

optogenetics

April, 28, 2016, Montreal--モントリオール神経学研究所(Montreal Neurological Institute)とマギル大学病院(Hospital of McGill University)、マギル大学ヘルスセンタの研究チームの研究成果により、鎮痛剤の代替として、非侵襲的、高集中の光が見込みがあることが明らかになった。
 研究チームは、感覚を伝達する末梢神経に感光特性を持つマウスを繁殖させた。マウスは、これらのニューロン、Nav 1.8+侵害受容器がオプシンを発現するように遺伝子操作されている。オプシンは、光遺伝学として知られるプロセス、光に反応する。
 これらの感覚ニューロンが黄色の光を受けるとオプシンが膜全体にイオンを移動させ、細胞の生体電気活動が抑制される。これはニューロンを効果的に遮断し、接触や熱に対するマウスの感度を低下させる。
 「われわれがニューロンに加えたオプシンは最初、古細菌から分離したものであり、黄色い光を感知する。これをニューロンに送り込むと、無害な黄色の光を皮膚に照射するだけでニューロンの反応をコントロールすることができる」と論文のシニアオーサ、Philippe Séguéla教授は説明している。
 光遺伝学は、多種多様なアプリケーションがある研究の成長領域である。この場合、痛みを伝達するニューロンが、マウスの身体の局所、つまり後足で減少し、効果の持続が光を照射する時間の長さによって簡単にコントロールできた。この技術の精度は、人に適用する利点が見込めることが確認されている。
 光遺伝学をベースにした光線療法は、患者に「オンデマンド」鎮痛剤を提供できるという利点がある。患者は、身体の感知できる部分に光を当てて痛みをコントロールできる。
 今日、慢性痛の治療に最も一般的に使われているのが鎮痛剤であるが、それは組織的に利用されることが多く、痛みの影響を受けている体の特定部分に直接適用されることはない。鎮痛効果の持続時間は推定可能であるが、光ビームと同等の精度はない。
 この鎮痛法を人間に適用するには、神経科学のさらなる前進が必要である。Philippe Séguélaによると、人のニューロンを感光性にできる1つの方法は、副作用を起こすことなく一時的にオプシンを一定のニューロンに送達する無害なウイルスを使うことである。
 カナダの地域健康調査レポートによると、12~44歳のカナダ人の10人に1人、全体で約150万人が慢性痛を経験している。痛みは数カ月あるいは数年続く。慢性痛は多くの多様な疾患に関係している、糖尿病、関節炎、ガン、帯状疱疹、坐骨神経痛など。慢性痛により患者は日常の仕事ができなくなり、睡眠障害やうつ病などの他の健康障害に発展することもある。
 「慢性痛は、臨床的にますます大きな問題になってきている。長年、われわれは鎮痛剤だけに頼ってきた。耐性があるために治療は難しく、用量を増やさなくてはならなくな。これは深刻な副作用につながる。光遺伝学治療は、従来の鎮痛剤の副作用を避けながら、痛みを沈める非常に効果的な方法になり得る」とSéguélaはコメントしている。