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細胞の電気信号制御に光を使い、腫瘍を防ぎ正常化する

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March, 22, 2016, Medford--カエルモデルを使うタフツ大学(Tufts University)の生物学者たちは、光を使って細胞間の電気信号を制御することで腫瘍の形成を防ぎ正常化できることを初めて実証した。
 これは、発がん遺伝子による腫瘍を防ぎ、退行させるために生体電気信号を特別に操作する光遺伝学利用の初の報告である。
 カエルと哺乳類の腫瘍は、多くの同じ特性を共有しているので、カエルは癌の基礎研究の優れたモデルである。これには、急速な細胞分裂、組織破壊、血管増殖、侵襲性、異常な正の内部電圧を持つ細胞などが含まれる。
 実際、すべての健全な細胞は、細胞内部は、細胞外部と比較して負電圧が多い。細胞膜のイオンチャネルの開閉により、電圧の正が多くなったり(脱分極)、あるいは負が多くなったり(細胞の分極)する。腫瘍は、それが他の形で顕在化する前に、異常な生体電気信号によって検出できる。
 「このような電気特性は、単なる腫瘍形成の副産物ではなく、細胞がその解剖学的役割から腫瘍の成長や転移拡散するのを活発に制御している。この生体電気信号を特別にコントロールする新しい方法の発見は、ガンに対する新たな生体医療アプローチへの重要な道になり得る」と同大学再生・発生生物学センタのディレクター、生物学チェア、Vannevar Bushは説明している。
 論文の筆頭著者、Brook Chernetが細胞をアフリカツメガエル胚に注入した。RNAに、ガンのように増殖することで知られている突然変異RAS発がん遺伝子をエンコードしている。研究チームは、青色光で活性化された正に帯電のイオンチャネル、ChR2D156Aあるいは緑の光で活性化されたプロトンポンプ、アーキロドプシンのいずれかを表現、活性化した。これらの両方ともカエルの胚細胞を過分極化し、電流を起こす、それによって細胞は癌のような脱分極状態から正常な、陰極状態が強くなる。両方の作用の活性化は、ガン腫瘍形成率を大幅に低下させ、腫瘍が正常な組織に退行する周波数も強めた。
 イオンチャネルの制御に光を使うことは、神経系や脳の研究では画期的なツールであったが、光遺伝学はまだガンに適用されていなかった。
 「これは、光を使って発がん転移を無効にする新種の治療の概念実証である。特に腫瘍を標的に光を使うことで、身体全体を毒性の強い化学療法あるいは同様の試薬に晒すことが避けられる」とLevin氏はコメントしている。