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イリノイ大学、フラット量子ドットを開発

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January, 19, 2016, Urbana--イリノイ大学の学際的な研究チームは、量子ドットから新しい材料複合体を開発した。このリポタンパク質ナノプレートレットは、細胞に急速に取り込まれてその蛍光を維持するので、特に細胞のイメージングや病気の機構理解に適している。
 同大学バイオエンジニアリング准教授、Andrew M. Smithによると、量子ドットの最も重要な特徴は、広範な色範囲で調整できる明るく安定した発光である。「したがって、量子ドットは、造影剤や細胞や組織の分子プローブ、LEDsやTVsの発光部品などの様々なアプリケーションで有用である」と同氏は説明している。
 「今回の研究は、生物系における、ナノプレートレット、つまりフラットな量子ドットの最初の例である。われわれは、生物学的粒子にエンカプセルされた、独自のフラットな、ディスクのようなナノプレートレットを開発した。これは量子ドットが元になっており、同じように発光するが、その形状のために多くの興味深い光学的、構造的特徴を持つ。光吸収と発光特性は、量子井戸の特性に近い。これらの粒子は素早く細胞に入り込むことが分かっており、われわれはそれを生きた細胞でセンサとして使っている」とSmith氏は説明している。
 Smith研究グループのポスドクフェローで論文の筆頭著者、Sung Jun Limによると、この新しいコロイド物質は、無機量子井戸と、リン脂質とリポタンパク質で構成される有機ナノディスクとのハイブリッドである。「リン脂質は、ナノプレートレットの平坦面に結合しており、リポタンパク質は曲線縁に結合して、粒子を生体適合材料に均一的にとらえる。、生理的緩衝液や高濃度食塩水では長期安定であり、高蛍光性である。また、溶液あるいは顕微鏡の単一分子レベルで計測されるときには、量子ドットに匹敵する輝度である」。
 Smithによると、これらの粒子は特に単一分子イメージングに有用である。この場合、高発光率とコンパクトサイズという独特の組み合わせにより、量子ドットの影響が最大であった。量子ドットは先ごろ、人の健康や病気に関連する多くの新しい生体プロセスの発見を可能にした。
 「ナノプレートレットがもたらす新しい機能は、生体分子や細胞のイメージングにとって貴重であるが、以前は生体媒体でこのようなナノ結晶の安定化は難しかった。その固有の寸法のために、くっつきあったり、集合したり、蛍光を失ったりするからである。この新しい種類のナノプレートレットは、こうした問題を解決している。リポタンパク質にエンカプセルされているため、厳しい生物学的状況でも安定である。
 この新しい材料複合体が、フラット材料が生体系とどのように相互作用するかを単一分子レベルで明らかにしてくれると研究チームは考えている。「細胞への迅速な侵入を発見したことは、このような材料が細胞ラベリングアプリケーションに直ちに使える可能性を示している。これによって、細胞アイデンティティの多重スペクトルエンコーディングができる、目的は体内の転移癌細胞を追跡すること。また、ナノ粒子固有の形状は、従来の球状粒子に比べて、腫瘍に薬剤を送達する際により効率的であることが分かっている。