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IBS研究者、多機能内視鏡を開発

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December, 8, 2015, Daejeon--基礎化学研究所(IBS)内ナノ粒子研究センタの研究チームは、多機能内視鏡を開発した。この内視鏡では、レーザなどの透明な生体エレクトロニクスとセラノスティックナノ粒子(NPs)が統合されている。セラノスティクス(theranostics)は、新しい医療をテストし、患者に合わせた固有の治療計画を調整する療法。
 従来の内視鏡は、小さな癌や他の異常性を発見するのに必要な空間解像度が欠如している。現状の外科用内視鏡の実用性は実証されているものの、治療に結びつくオンボードセンサは使えない。従来のシステムはマクロサイズであり、マイクロスケールの腫瘍の診断や治療の妨げになるからである。
 ナノ粒子研究センタディレクタ、Taeghwan Hyeon教授の研究チームは、大腸ガンのような消化管の病気を診断、治療する多機能外科内視鏡のデモンストレーションを行った。この「スマート」な内視鏡システムは、RFアブレーション(RFA)を組み合わせたpHベースのセンシングを提供できる透明バイオエレクトロニクスを搭載している。医療処置は、腫瘍の電気伝導部分は中波交流によって生成される熱を利用して除去される。
 同システムのその外のセンサには、機械的接触や温度マッピングのモニタリングがあり、これらは癌の検出や除去の最中に正確な生理学的センシング能力を可能にする。透明性によって、多数の多機能センシングや診断コンポーネントを、カメラや光の見通し線を阻むことなしに、内視鏡先端に組み込むことができる。内視鏡のカメラに透明なバイオエレクトロニクスを搭載することで、蛍光マッピングや光療法で、カメラを通して観察された組織は、透明デバイスによって、除去された組織と正確に一致させることができる。同システムには、光線治療および化学療法薬剤を搭載するカスタム設計の生体適合NPsがある。これは、局所的に送達され、光で活性化される。論文によると、この多機能内視鏡システムは、平坦で抑圧された異常成長の発見に有用である。透明な生体エレクトロニクスとセラノスティックNPsとのシナジー効果によって、腫瘍発見の精度が向上し、治療できるようになる。
 生体内実験として知られる、生きた組織内の制御されたラボ実験は、マウスで行われた。成果は、大腸癌や前癌病変の正確な検出、描写、迅速なターゲット療法で、この技術の利用を際立たせるものであった。NPsの静脈注射は、大腸癌細胞を積極的に狙うように管理された。これらのNPsに投入された蛍光染料のイメージングが、癌細胞の空間分布についての光情報を提供した。その内視鏡によって、レーザ光はNPsに晒された疑わしい箇所にアクセスすることができた。内視鏡カメラに集積された透明バイオエレクトロニクスによって、このような領域は容易に観察された。透明のバイオエレクトロニクスと関連のセンサが、腫瘍の分布について追加の電気化学分析を提供した。組織の疑わしい箇所が光学的に観察され、潜在的に癌組織であると同定されると、それは複数の方法による処置が可能になる。
 光ファイバで送達され内視鏡によってガイドされるレーザ光の直接制御は、光の侵入度に関する多くの問題を克服することができる。大腸癌は通常、表面領域で見つかるので、研究チームのシステムは、他の腫瘍の場合と比較して、光の浸透度の問題の影響は少ない。
 実験の結果、2週間治療の後、マウスモデルの腫瘍は飛躍的に減少した。しかし、腫瘍がNPsを注入することなく、また化学薬剤を使うことなく処置されると、腫瘍容積は拡大した。統合治療グループは、腫瘍容積の際立った減少を示した。
 多機能内視鏡システムは、大腸癌の治療では、処置時間を減らし、侵襲の少ない外科的処置の効率を改善する見込みがある。さらに、効率的な治療は今後、様々な消化管癌や前癌病変の優れた腫瘍学的、経済的利益に貢献できる。