Products/Applications 詳細

個別細胞の一重項酸素モニタリングを容易にするNIRvana

August, 21, 2014, New York--チャールズ大学(Charles University)の化学物理学・オプティクス学部のJan Hála氏をリーダーとする光学分光学グループは、一重項酸素の直接モニタリングを可能にする、同グループが開発した新しい実験セットアップの詳細を発表した。
 この実験にはNIRvana: 640、2DアレイInGaAsカメラが用いられている。同カメラは、特に科学研究用に設計されており、優れた直線性と近赤外感度を持つ。
 一重項酸素は、分子酸素の最初の励起状態であり、幅広い生物学的プロセスで重要な役割を果たす高反応性種。例えば、細胞シグナリング、免疫反応、高分子分解、光線力学治療中の新生物組織の除去などがこれに含まれる。多くの場合、感光プロセスを用いて基底状態の酸素から一重項酸素を生成する。
 プラハ、チャールズ大学の研究チームは、2つの検出チャネル(VIS/NIR)を用いて一重項酸素の非常に弱い近赤外リン光、同時に感光剤の可視蛍光による光増感のリアルタイムイメージングを行う。この新しい実験セットアップによって、一重項酸素をベースにしたスペクトル画像の収集、個別細胞からの光増感剤発光が可能になる。ここでは、画像の一面が空間的であり、もう一方は500~1700nmの範囲をカバーするスペクトラルである。
 これらの結果を得るために、プリンストン・インスツルメンツNIRvana 640、2D InGaAsカメラをイメージング分光器(Acton SpectraPro 2500i, Princeton Instruments)と連結した。Dr. Marek Scholzによると、以前用いた1D InGaAsディテクタと比べて、近赤外に感度があるNIRvanaカメラの主な優位性は、NIRvana検出アレイの2次元性である。これによって収集時間が大幅に短縮され、サンプルの光退色によって生ずる問題の一部を回避することができる。このセットアップでは、可視光検出に、裏面照射、シリコンCCDカメラ(Spec-10:400B, Princeton Instruments)を用いた。
 研究チームの指摘によると、そのような研究でスペクトラルイメージの導入は一重項酸素リン光と光増感剤のNIR拡張蛍光とのスペクトラルオーバーラップの可能性に対処し、それらを区別、分離するための強力なツールになる。これはNIR蛍光を示す感光剤にも適用できる。
(詳細は、www.princetoninstruments.com)